スリランカでゾウ3,000頭超と1,000人超死亡 深刻化する人とゾウの衝突
スリランカで、2015年から2024年までの10年間に野生のゾウ3,477頭と1,190人が人とゾウの衝突により命を落としていたことが、同国の環境相ダミカ・パタベンディ氏の議会での説明で明らかになりました。深刻化する人と野生動物の対立を、数字から整理します。
2015〜2024年でゾウ3,477頭、人1,190人が死亡
パタベンディ環境相は議会で、2015〜2019年と2020〜2024年の2つの期間に分けて、人とゾウの衝突による死者数を公表しました。
2015〜2019年
- 野生のゾウの死亡:1,466頭
- 人の死亡:456人
2020〜2024年
- 野生のゾウの死亡:2,011頭
- 人の死亡:734人
10年間の合計で、野生のゾウ3,477頭、人1,190人が死亡したことになります。
後半5年間で被害が増加
数字を5年ごとに比べると、後半5年間の被害の増え方が際立っています。
ゾウの死亡数は、2015〜2019年の1,466頭から2020〜2024年には2,011頭へと増え、約1.4倍になりました。同じ期間に人の死亡も456人から734人へと約1.6倍に増えています。
年間平均にすると、2015〜2019年は年あたりおよそゾウ293頭、人91人、2020〜2024年はゾウ402頭、人147人が亡くなった計算です。衝突が短期間で急速に深刻化していることがうかがえます。
これらの数字は2024年までの状況を示しており、2025年以降の動向については、今後の公表を待つ必要があります。
人とゾウの衝突とは何か
今回示された人とゾウの衝突は、野生のゾウと人の生活圏が重なり、次のような問題が起きることを指します。
- 農地や家屋への被害
- 道路や集落での接触事故
- 身を守ろうとした人によるゾウへの攻撃と、その連鎖的な報復行動など
大型の野生動物と人が近い距離で暮らす地域では、似たような問題が起こりやすいとされています。今回のスリランカの数字も、人の暮らしと野生のゾウの生息域の間で緊張が高まっている現実を映し出しているといえます。
数字が投げかける問い
2015年から2024年までに命を落とした野生のゾウ3,477頭と1,190人という数字は、単なる統計ではありません。
- 野生動物の保護と、人々の安全や生活をどう両立させるのか
- 被害を受ける地域の住民に、どのような支援や選択肢を用意できるのか
- 長期的に、人とゾウが共存できる土地利用やインフラをどう設計するのか
こうした問いへの答えはすぐには見つかりませんが、今回のデータは、現状のままでは人もゾウも大きな代償を払い続けることになる、という事実を示しています。
遠い国のニュースに見えるかもしれませんが、人と自然との距離をどう保つかというテーマは、日本を含む多くの国と地域に共通する課題でもあります。スリランカの人とゾウの衝突の数字は、私たち自身の暮らしと自然との向き合い方を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Over 3,000 elephants killed in Sri Lanka's human-elephant conflict
cgtn.com








