気候変動対策の新たな枠組みへ:中国本土、ブラジル、EUが「炭素市場オープン連合(OCCCM)」を始動
2026年5月、イタリアのフィレンツェで、地球規模の気候変動対策に新たな展開がありました。中国本土、ブラジル、そして欧州連合(EU)が主導し、国際的な炭素市場の協力を深めるための新しい枠組み「炭素市場オープン連合(OCCCM)」が本格的に始動したのです。
「オープンで包括的なプラットフォーム」を目指して
先週木曜日、フィレンツェで開催されたOCCCMの第1回ハイレベル会合に出席した中国本土の生態環境省の李高(リ・ガオ)次官は、この連合を「オープンで包括的、かつ実用的で効率的な国際協力のプラットフォーム」に発展させたいとの意向を表明しました。
炭素市場とは、温室効果ガスの排出枠を取引することで、経済的なインセンティブを使いながら排出量削減を促す仕組みです。今回のOCCCM設立により、異なる制度を持つ国や地域が、より円滑に連携できる基盤が整うことが期待されています。
具体的にどのような協力を行うのか
今回の会合では、中国本土、ブラジル、EUの3者が創設メンバーとして「参照条項(Terms of Reference)」に署名し、連合の目的やガバナンス構造を明確にしました。今後の協力は、主に以下の技術的な領域に焦点が当てられます。
- MRVシステムの構築:排出量の「監視(Monitoring)」「報告(Reporting)」「検証(Verification)」を適切に行い、データの信頼性を確保すること。
- 炭素会計手法の改善:排出量をどのように計算し、記録するかという共通のルール作り。
- 高整合性のオフセット:排出権取引におけるクレジットの質を向上させ、実効性のある削減につなげること。
こうした地道なルール作りこそが、市場の透明性を高め、世界的な脱炭素化を加速させる鍵となります。
途上国と先進国の垣根を越えた連携
この会合には、創設メンバー以外にもドイツ、ニュージーランド、カナダ、イギリス、トルコ、フランスなど、多くの国や地域の代表者が参加し、意見交換が行われました。
ブラジル財務省のクリスティーナ・レイス次官は、OCCCMの設立について「発展途上国と先進国の双方が、炭素市場での協力を強化したいという共通の意思を反映した革新的な取り組みである」と評価しています。また、欧州委員会のクルト・ヴァンデンベルゲ気候アクション総局長も、この連合の立ち上げが国際協力の継続的な進展を示す明確なシグナルになると述べました。
次なる舞台は9月の武漢へ
中国本土は現在、より効果的でダイナミックな炭素市場の構築を急いでおり、その経験を国際社会と共有したい考えです。その具体的なステップとして、李高次官は、今年9月に湖北省武漢市で開催される「中国炭素市場会議」およびそれに付随する活動への参加を、世界各国の関係者に呼びかけました。
単一の国や地域の努力だけでは限界がある気候変動問題。異なる経済圏が手を取り合い、共通の「言語」としての炭素市場を構築しようとするこの試みが、今後のグローバルな気候ガバナンスにどのような影響を与えるのか、注目が集まります。
Reference(s):
China supports open, inclusive OCCCM platform, says official
cgtn.com



