ガザの7歳男児、イスラエル軍残存爆発物で片目失明の危機 video poster
紛争が続くガザ地区で、7歳の少年がイスラエル軍の残したとされる爆発物によって片目を失い、もう一方の目の視力も失う危機に直面しています。医療にアクセスしづらい現地で、家族は国外での治療を求めて奔走しています。
今年3月、何が起きたのか
少年の名前はモハメド・ヒジャジ君。ガザ北部ジャバリア出身の7歳です。父親によると、今年3月、モハメド君はいつものように外で遊んでいる最中に、不審な物体に触れてしまいました。
それは、イスラエル軍の兵士が残していったとされる不発弾、つまり爆発していない爆発物でした。モハメド君がそれを拾い上げた瞬間、装置が爆発し、彼の小さな体を襲いました。
空爆を生き延びた先で待っていた危険
モハメド君と家族は、それ以前にもたびたびの空爆を経験しながら生き延びてきました。ジャバリアから南部へと避難したのも、激しい爆撃から逃れるためだったといいます。
しかし、命からがら逃れた先で、戦闘の「残り火」ともいえる爆発物が新たな脅威となりました。紛争が続く地域では、こうした残存爆発物が長期にわたり住民、とりわけ好奇心の強い子どもたちを危険にさらします。
片目を失い、残る視力も「時間との勝負」
爆発のあと、モハメド君は片方の眼球を失いました。父親によれば、もう一方の目の視力も危険な状態にあり、適切な治療を受けなければ萎縮して見えなくなってしまう可能性があるといいます。
問題は、その緊急の医療ケアが、今のガザでは利用できないことです。必要な医療設備や専門医が不足しているため、父親は息子の残された視力を守るための選択肢を、ガザの外に求めざるを得ません。
「世界をもう一度見せてあげたい」父親の願い
父親は、モハメド君を国外へと送り出し、治療を受けさせるために懸命に動いています。手続きや移動手段の確保など、多くの障害があるなかで、それでも希望を手放してはいません。
父親は、ハムードという愛称で呼ぶ息子について「もしすぐにでも海外で治療を受けられなければ、残っている方の目も失うかもしれない」と危機感を語ります。そして「たとえ片目だけでも、もう一度世界を見ることができますように」と祈り続けています。
戦闘が終わっても続く「見えない戦禍」
戦闘が激しかった地域では、爆発しなかった砲弾や手りゅう弾などの残存爆発物が、長い年月にわたり住民の生活空間に残ることがあります。見た目には金属くずやおもちゃの部品のように見えることもあり、子どもが興味本位で触れてしまうケースも少なくありません。
こうした爆発物は、一度の接触で一生消えない傷を残します。モハメド君のケースは、紛争の被害が戦闘のその瞬間だけでなく、その後の日常にも深く影を落としていることを静かに物語っています。
一人の少年から見えるガザの現実
ガザ地区のニュースは、ときに政治や軍事の文脈で語られがちです。しかし、その背後には、視力を失うかもしれない一人の7歳の少年と、その未来を守ろうとする家族の物語があります。
遠く離れた場所からこの国際ニュースを読む私たちにできるのは、まず一人ひとりの顔を思い浮かべながら、紛争の現実を自分ごととして捉え直すことかもしれません。モハメド君が、もう一度世界を見られる未来を選び取れるかどうかは、いまも時間との競争の中にあります。
Reference(s):
cgtn.com








