2025年ワールドゲームズ聖火リレーで李子柒が竹の聖火「逐夢」を掲げる video poster
2025年ワールドゲームズの聖火リレーが今年7月26日、中国南西部の四川省で始まりました。その第22走者として登場したのが、短尺動画で世界的な注目を集めるクリエイター・李子柒(リー・ズーチー)です。竹をモチーフにした聖火「逐夢(Zhu Meng)」を掲げた瞬間、会場は大きな歓声に包まれました。
四川から世界へ――聖火リレーのスタート
国際スポーツ大会である2025年ワールドゲームズの聖火リレーは、2025年7月26日に四川省で正式にキックオフしました。南西部の重要な都市と豊かな文化を背景にしたスタート地点は、世界に向けて大会の始まりを印象づける場となりました。
この日のリレーでは、多くの走者が次々と聖火を引き継ぎ、その中で第22走者としてバトンを受け取ったのが李子柒でした。彼女が聖火「逐夢」を手にしたとき、沿道の観客からはひときわ大きな歓声が上がったとされています。
竹の聖火「逐夢」が示すもの
今回のトーチ「逐夢(Zhu Meng)」は、英語名ではDream of Bambooと紹介されており、その名のとおり竹にちなんだデザインとされています。竹は、しなやかさや成長、まっすぐな生き方を象徴する素材として、東アジアの文化で親しまれてきました。
伝統的なモチーフである竹を用いた聖火トーチが、国際大会の舞台で掲げられることで、開催地の文化的な背景を世界の観客にさりげなく伝える役割も担っています。
李子柒という「現象」――無形文化遺産を映像で伝える力
李子柒は、中国の短尺動画シーンにおいて「現象」とも呼ばれる存在です。彼女の動画は、農村の暮らしや四季の移ろい、伝統的な料理や工芸を、落ち着いた映像美と丁寧な編集で描き出してきました。
なかでも注目されているのが、中国各地に息づく無形文化遺産の紹介です。無形文化遺産とは、技術や芸能、祭礼など、形として残りにくいものの、人々の暮らしのなかで受け継がれてきた文化を指します。李子柒は、そうした文化を一つひとつ映像に落とし込み、世界の視聴者に届けています。
蜀繡や竹細工への国際的な関心
李子柒のコンテンツを通じて、蜀繡(四川地方の刺繍)や竹細工など、これまで海外ではあまり知られてこなかった伝統工芸に光が当たっています。動画の視聴者が、自ら関連する文化を調べたり、工芸品に関心を持ったりする動きも広がっているとされています。
こうした変化は、1本数分の動画であっても、国境を越えて文化へのまなざしを変えるきっかけになりうることを示しています。
聖火ランナーにデジタルクリエイター――その象徴的な意味
聖火ランナーといえば、かつてはスポーツ選手や地元の功労者が中心でした。そこに短尺動画のクリエイターである李子柒が名を連ねたことは、デジタル時代ならではの変化を象徴していると言えます。
- オンライン発のクリエイターが、国際スポーツイベントの顔の一人として起用される
- 動画を通じて文化を発信する行為が、「国際文化交流」の一形態として認知される
- 伝統文化とデジタルメディアの組み合わせが、若い世代にも届く新しい橋渡しになる
竹をイメージした聖火「逐夢」を掲げる李子柒の姿は、伝統とデジタル、ローカルとグローバルが交差する現在の文化状況を象徴する場面として記憶されるかもしれません。
日本の読者への示唆――ローカルな物語をどう世界と共有するか
2025年12月の今、この聖火リレーの場面は、日本のクリエイターや視聴者にとっても考えるきっかけを与えてくれます。自分たちの身の回りにある「当たり前の風景」や伝統的な技、地域に根ざした食文化を、どのように編集し、言葉や映像に乗せて世界と共有していくのか――。
国際ニュースとしての聖火リレーの話題は、同時に「文化をどう伝えるか」という普遍的なテーマにもつながっています。李子柒が担った役割を手がかりに、私たち自身の暮らしや文化を翻訳し直す視点を持つことが、これからの情報環境ではますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
Torchbearer Li Ziqi raises the 'Zhu Meng' torch at relay site
cgtn.com








