イラン、国連制裁の再発動を拒否 E3と米国のスナップバックを批判
イラン、国連制裁再発動を拒否
イラン外務省が、フランス・英国・ドイツ(E3)と米国による国連安全保障理事会(UNSC)制裁決議の再発動を「違法かつ正当性を欠く」として受け入れを拒否しました。2015年の核合意(JCPOA)から10年を経た2025年、国連制裁の復活をめぐる法的・外交的な攻防が、改めて国際社会の注目を集めています。
この記事のポイント
- 2015年の核合意から10年を経て、国連制裁決議が再び発動しました
- イランは、E3と米国による制裁復活を「違法で正当性なし」と主張しています
- 核合意JCPOAと国連決議2231の解釈をめぐる法的・外交的な対立が焦点となっています
何が起きたのか:10年ぶりの国連制裁再開
セイエド・アッバス・アラグチ外相が率いるイラン外務省は日曜日、E3と米国が国連制裁決議を再び有効化させた動きについて声明を発表しました。声明は、国連安全保障理事会の対イラン制裁が土曜日の夜に再び発動されてから数時間後に出されたものです。
対イラン制裁は、2015年にイランと主要国との間で結ばれた包括的共同行動計画(JCPOA)に基づきいったん解除されていました。今回の制裁再開は、その解除から10年を経て行われたものです。
イラン外務省の主張:決議2231に反する「違法な状況」
声明によると、イランは、2015年の国連安全保障理事会決議2231によって終了した過去の制裁決議を「復活」させるとするE3と米国の主張を全面的に退けています。外務省は、終了した決議の規定やメカニズムからは、イランを含むいかなる国連加盟国にも新たな義務は生じないと強調しました。
イラン外務省はまた、各国に対し、この「違法な状況」を認めないよう呼びかけています。こうした動きは決議2231と矛盾すると主張し、E3と米国がJCPOAおよび決議2231に盛り込まれた紛争解決メカニズムを乱用していると非難しました。
さらにイラン側は、自国の権利と国益を「断固として守る」とし、その利益を損ねるいかなる行動も「適切かつ断固とした対応」に直面すると警告しています。
争点となるスナップバック・メカニズム
今回の制裁再開の背景には、いわゆるスナップバック(自動復活)メカニズムがあります。この仕組みは、イランがJCPOAに違反していると判断された場合、30日以内に国連制裁を再び課すことを可能にするものです。E3は、制裁が再び発動されるおよそ30日前に、このスナップバックを正式に発動しました。
アラグチ外相は土曜日、アントニオ・グテーレス国連事務総長宛ての書簡の中で、こうしたスナップバックの発動を「手続きの明白な乱用」だと批判しました。イラン側は、決議2231に基づくプロセスが本来の目的から外れて運用されていると主張しています。
国連安全保障理事会では、9月19日に対イラン制裁の緩和措置を延長する決議案の採決が行われましたが、採択には至りませんでした。その後、JCPOAと決議2231の双方を6か月延長する別の決議案も金曜日の採決で否決され、結果として、土曜日の夜に国連制裁が再び発動することになりました。
各国に突き付けられる選択と今後の行方
イランが制裁復活を認めず、E3と米国はスナップバックを根拠に制裁の有効性を主張するなか、国連加盟国はどの立場を取るのかという難しい選択に直面します。各国が制裁の再発動をどの程度履行するかによって、今回の措置の実効性や国際的な影響は大きく変わる可能性があります。
今回の対立は、JCPOAと決議2231の文言をどう解釈するかという法的な問題であると同時に、イラン核問題をめぐる外交交渉の力学にも直結しています。イランが「適切かつ断固とした対応」を予告していることから、今後の動きによっては緊張が一層高まるリスクも否定できません。
2015年の核合意から10年を迎えた今、合意の将来と国連制裁体制の扱いは、新たな局面に入っています。国際社会がどのように決議2231とスナップバック・メカニズムを運用し、イランがどのように権利と国益の防衛を図るのか、今後の外交と国連の場での議論が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








