パレスチナ、ヨルダン川西岸の措置を「違法な併合」 イスラエル閣議決定
2026年2月8日(現地時間)、イスラエルの安全保障閣議が、占領下にあるヨルダン川西岸での統制を深め、入植拡大につながるとされる複数の措置を承認しました。パレスチナ側は同日、「違法で無効」であり「併合と住民排除の計画を実務的に進めるものだ」と強く反発しています。
何が決まったのか:統制強化と土地取引ルールの変更
財務相ベザレル・スモトリッチ氏(ネタニヤフ首相内閣の入植推進の重要人物)の事務所の声明によると、閣議が承認したとされる主な措置は次の通りです。
- ヨルダン統治期の法律(ユダヤ人への土地売却を禁じていたとされる法律)の撤廃
- 土地取引に必要だった「特別な取引許可」の要件を撤廃
- 約20年前に停止していた「国有地の取得委員会」を再稼働
声明では、これらの決定がヨルダン川西岸での土地取得を「より簡易な条件で可能にする」方向だと説明されています。
スモトリッチ氏「歴史的な日」——入植の加速を示唆
スモトリッチ氏は今回の決定を、ヨルダン川西岸における入植にとって「歴史的な日」だと位置づけました。土地取得の手続きを簡素化することで、入植の動きが進みやすくなる、という見立てが示されています。
パレスチナ側の反発:「違法で無効」「併合の実行」
パレスチナの大統領府は同日、これらの決定について「違法で、無効であり、効力はない」と表明しました。さらに「併合と住民排除の計画を実務的に実行するものだ」とし、パレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルが結んだ合意、国際法、国連決議に反すると主張しています(WAFAが報道)。
大統領府はまた、地域の緊張緩和の取り組みを脅かすとして、国際社会に対し「直ちに介入し、措置を止める」よう求めました。
パレスチナ外務省も、占領下のパレスチナ領の「法的地位や性格」を変えようとする「必死の試み」だとして非難し、行為を「犯罪的」と表現しました。外務省は、イスラエルには占領地や都市に対する主権はなく、ヨルダン法を含む既存法を撤廃・改正する法的権利はない、という立場を示しています。
背景:1967年以降の占領と、入植をめぐる国際法上の争点
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸と東エルサレムを占領しました。記事素材によれば、同地域に建設された入植地と軍事占領は、国際法上「違法」とみなされています。
パレスチナ当局者はこれまでも、入植拡大や、ヨルダン川西岸でイスラエルの民政的権限を広げる動きが、将来のパレスチナ国家の見通しを損なうと繰り返し警告してきたとされています。
今後の焦点:土地制度の変更が、現場の現実をどう動かすか
今回の措置は「法律の撤廃」「許可要件の見直し」「委員会の再稼働」といった制度面の変更が中心ですが、土地取得のハードルを下げる設計になれば、日常の不動産取引や行政運用を通じて、統治の実態が段階的に変わっていく可能性があります。
一方で、パレスチナ側はこれを「併合の実行」と捉え、国際社会の関与を強く求めています。緊張緩和と秩序維持をめぐり、各当事者がどのような対応を取るのかが注目されます。
Reference(s):
Palestine condemns Israel's West Bank measures as illegal annexation
cgtn.com








