世界1位トランプ撃破 スヌーカー徐思がWST南京で大金星
スヌーカーの国際ニュースで大きな番狂わせです。中国の徐思が、世界ランキング1位のジャッド・トランプを相手に6対4で勝利し、中国・南京で行われているワールド・スヌーカー・ツアー(WST)インターナショナル選手権で存在感を強く示しました。中国勢の躍進と、トップ選手との力の差が縮まっていることを象徴する一戦となりました。
WSTインターナショナル選手権で起きた番狂わせ
試合は東部の都市・南京(江蘇省)で行われました。徐思は、世界ナンバーワンのトランプを相手に主導権を握り続け、最終的に6対4で勝利しました。
- 対戦カード:徐思(中国) 6-4 ジャッド・トランプ(イングランド)
- 大会:ワールド・スヌーカー・ツアー(WST)インターナショナル選手権
- 開催地:中国・江蘇省南京市
序盤、徐思は2フレーム連取でスタートします。いずれのフレームでも76点のブレイクを決め、いきなり2対0とリードを広げました。しかし、ここから世界1位のトランプが底力を見せ、3フレーム連取で一気に逆転。スコアは2対3と、試合の流れを引き寄せたかに見えました。
その後は互いに1フレームずつ取り合い、緊張感の高い展開が続きます。しかし終盤の3フレームで試合は再び大きく動きました。徐思はトランプに1点も許さない完璧な内容で3フレームを連取。104点のセンチュリーブレイク(100点以上)を含む、104、69、58、68点のブレイクを決め、世界1位をねじ伏せました。
勝負を分けた「メンタル」の強さ
試合後、徐思は勝因として「大事な場面でのメンタル」を挙げています。特に最終フレームでの心境について、次のように振り返りました。
「最後のフレームでは少し緊張していましたが、うまくいってくれて、相手に簡単なショットを残さないようにできました。試合を締めくくれたのは本当に気持ちが良かったです。とても緊張している状態から、ふと緊張がなくなる瞬間があるのです。」
スヌーカーは技術だけでなく、長時間にわたる集中力と心理戦が重要なスポーツです。決勝トーナメントのような重圧のかかる局面で、世界1位を相手に自分のプレーに徹しきれたことが、今回の番狂わせを呼び込んだと言えます。
「トップとの距離は小さい」 中国勢への自信
徐思は、自身と世界トップ選手との距離についても言及しています。
「トップ選手との間の差は、今ではとても小さくなっていると感じます。最近では多くの中国の選手が大会の終盤まで勝ち進んでいて、全体としてレベルがかなり上がっていることを示していると思います。」
このコメントが示すように、中国の選手たちは近年、国際大会で後半ラウンドまで進出するケースが増えています。同じ大会の同じ夜にも、中国勢の活躍が続きました。
同じ夜に躍動した丁俊暉と肖国棟
南京での夜は、徐思だけが主役ではありませんでした。別のテーブルでは、中国のベテランと新鋭がそれぞれ大事な勝利を挙げています。
丁俊暉、今季初のランキング大会ベスト8へ
中国のスター選手、丁俊暉は同じく中国のJiang Junと対戦し、6対3で勝利しました。試合中には109点のトップブレイクも飛び出し、攻撃力の高さを改めて示しました。この勝利により、丁俊暉は今シーズンのランキング大会で初めて準々決勝へ進出しています。
肖国棟、キャリア初のベスト16とUK選手権シード権
武漢オープンを制している肖国棟は、イングランドのジャック・リソウスキーを6対3で下しました。この結果、肖国棟はキャリアで初めてランキング大会のベスト16入りを果たしました。
さらに、この躍進によってランキングが押し上げられ、2025年11月に行われたUK選手権では、初めてシード選手として臨むことになりました。中国勢にとって、世界の主要大会でシード枠を獲得する選手が増えることは、裾野の広がりと層の厚さを示す重要なサインと言えます。
止まったトランプの「15大会連続」記録
一方で、この試合はジャッド・トランプにとっても一つの区切りとなりました。トランプは今年1月以降、出場した大会で15大会連続して少なくとも準々決勝に進出し、そのうち4大会で優勝、さらに2大会で決勝進出という見事な成績を残してきました。
- 15大会連続でベスト8以上
- そのうち4大会で優勝
- さらに2大会で準優勝
- 今回は、ランキングが自分より48位下の徐思に敗退
この安定感抜群の快進撃は、徐思との一戦でいったんストップしました。とはいえ、世界1位の実力と実績は揺らぐものではなく、今後もトランプが国際舞台の中心であり続けることは間違いないでしょう。その連続記録を止めたという意味でも、今回の勝利は徐思にとって大きな自信材料となりそうです。
何が見えてくるのか アジア発スヌーカーの現在地
今回のWSTインターナショナル選手権の一夜からは、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- 世界1位を相手に、中国の若手選手が冷静なメンタルで勝ち切ったこと
- 丁俊暉、肖国棟など複数の中国選手が同時に結果を出していること
- ランキング上位に中国勢が増えることで、主要大会の構図が変わりつつあること
スヌーカーはこれまで一部の国に強豪が集中しているイメージがありましたが、近年はアジアからも実力者が次々と台頭しています。今回のような番狂わせは、単なる一試合のサプライズではなく、勢力図の変化を示す一例として見ることもできます。
今大会の準々決勝以降でも、ランキングや知名度だけでは結果を予測できない試合が続きそうです。スマートフォンでスコアを追いながら、メンタルの揺れや戦略の変化に注目してみると、スヌーカーの見え方が少し変わるかもしれません。
「トップとの差は小さくなっている」と語る徐思の言葉は、これからの国際スヌーカー界を読み解く一つのキーワードになりそうです。
Reference(s):
Xu Si upsets World No. 1 Judd Trump at WST International Championship
cgtn.com








