スヌーカーWST国際選手権 地元ディン・ジュンフイが逆転で決勝進出
スヌーカーの国際大会「WSTインターナショナル・チャンピオンシップ」で、地元の人気選手ディン・ジュンフイが5-3のビハインドから大逆転し、決勝進出を決めました。中国東部・江蘇省南京市で行われた準決勝は、国際スポーツニュースとしても注目を集める内容となりました。
土曜の準決勝で見せた5-3からの大逆転
ディン・ジュンフイは、同じ中国出身の選手・徐思(シュー・スー)と準決勝で対戦しました。試合は19フレーム先に9フレームを取った方が勝ちとなるフォーマットで行われ、最終的にディンが9-6で勝利しました。
序盤は徐思が主導権を握り、ディンは5-3とリードを許す苦しい展開。それでも後半に入ってからギアを上げ、冷静なショットと相手のミスを逃さない勝負強さで流れを一気に引き寄せました。
前半は徐思が圧倒 高得点ブレークを連発
試合の立ち上がりで光ったのは徐思でした。最初の3フレームを連取し、その過程で69点、137点、113点という高得点のブレーク(1度の攻撃で積み重ねた得点)をマーク。数字だけを見ても、ショットの精度とリズムの良さが伝わります。
一方のディンも、すぐに反撃に出ました。119点と77点のブレークで2フレームを取り返し、試合を立て直します。しかし第1セッション(前半)を終えた時点では、スコアは5-3で徐思がリード。地元ファンにとっては、やや不安の残る折り返しとなりました。
スヌーカー初心者向け:ブレークとフレームとは
スヌーカーでは、1回の攻撃で続けてボールを落としていくことで得点を重ねます。この一連の攻撃で積み上げた得点を「ブレーク」と呼びます。試合は「フレーム」と呼ばれる小さなゲームの積み重ねで行われ、今回のような長い試合では「先に9フレーム取った方が勝ち」という形で勝敗が決まります。
後半で流れが一変 ディンが6-5と逆転
夜のセッションに入ると、試合の流れは一変しました。ディンがいきなり3フレームを連取し、一気に6-5と逆転に成功します。地元の声援を背に、ショットのキレと安全策(セーフティ)で徐思を徐々に押し込みました。
徐思も簡単には崩れず、次のフレームを取り返して6-6のタイスコアに持ち込みます。ここからは一球ごとに会場の空気が張り詰める、まさにメンタル勝負の様相を呈しました。
勝負どころでのミスを逃さず 7-6から一気に試合を決める
勝敗を分けたのは、わずかなミスでした。7-6を争う重要な場面で、徐思は長距離の難しいグリーン(緑のボール)をわずかに外してしまいます。このチャンスをディンが逃すことはありませんでした。冷静に取り切ってフレームをものにし、スコアを7-6と再びリードします。
続く第14フレームでは、徐思が赤いボールをコーナーポケットの“フチ”に残してしまう痛恨のミス。ここでもディンが66点のブレークでフレームを奪取。さらに第15フレームでは、徐思が29点を取ったところで赤いボールを外し、再びチャンスを献上する形となりました。
最後はディンが落ち着いたプレーで58点のランを完成させ、そのまま試合を締めくくりました。5-3から6連続でフレームを奪った終盤の内容は、地元エースの意地と経験を見せつけるものだったといえます。
もう一つの準決勝と決勝カード
決勝でディンと対戦するのは、イングランドのクリス・ウェイクリンです。ウェイクリンは金曜に行われた準決勝で、同じく中国の肖国棟(シャオ・グオドン)を9-8という接戦で下しました。1フレーム差のぎりぎりの勝負をものにして勝ち上がってきた形で、決勝も僅差の戦いが予想されるカードとなりました。
南京で行われている今大会は、スヌーカー界における重要な国際大会の一つであり、アジアの会場から世界トップレベルのプレーが発信される場にもなっています。地元の声援を受けるディンと、接戦を制して勢いに乗るウェイクリン。決勝は、異なるスタイルとメンタルのぶつかり合いという見方もできそうです。
この試合から見えるスヌーカーの魅力
今回の準決勝は、スヌーカーという競技の奥深さをあらためて感じさせる内容でした。日本ではまだ馴染みが薄いと感じる読者もいるかもしれませんが、じっくり観ると「静かな駆け引き」のスポーツとして国際ニュースの中でも独特の存在感を持っています。
今回の試合で浮かび上がったポイント
- 高得点ブレークで試合の流れを一気に変えられる爆発力
- 5-3からの逆転に象徴される、メンタルと集中力の重要性
- わずかなショットミスが勝敗を左右するシビアさ
- アジア開催の国際大会から世界トップレベルの攻防が生まれていること
通勤時間やスキマ時間にハイライト映像やスコアだけを追っても、試合のドラマは十分に伝わってきます。スヌーカーは、一見静かでゆっくりした競技に見えますが、内部では数手先を読み合う緊張感と、一打ごとに状況が変わるダイナミックさがあります。
南京での熱戦は、アジアから発信される国際スポーツニュースとして、これからスヌーカーを知るきっかけにもなりそうです。今回のディン・ジュンフイの逆転劇は、その象徴的な一例と言えるでしょう。
Reference(s):
Home favorite Ding Junhui reaches WST International Championship final
cgtn.com








