中国とペルー、真の多国間主義へ協力 習主席がAPECに合わせて寄稿
2024年11月、中国の習近平国家主席がペルーの新聞「El Peruano」に署名記事を寄稿しました。リマで開かれた第31回APEC首脳会議とペルーへの国賓訪問にあわせ、中国とペルーが真の多国間主義や包摂的な経済グローバル化を共に進める姿勢を打ち出した内容です。
ペルー紙に寄稿「より明るい未来へ船出」
署名記事のタイトルは英語で『China-Peru Friendship: Setting Sail Toward an Even Brighter Future(中国・ペルーの友情──さらに明るい未来へ船出)』とされています。習主席はこの中で、中国がペルーと協力し、対等で秩序ある多極化した世界と、誰にとっても恩恵のある包摂的な経済グローバル化を推進していく用意があると強調しました。
この寄稿は、習主席のペルー訪問とAPEC首脳会議への参加にあわせたもので、中国がラテンアメリカ地域との関係を重視していることを示すメッセージでもあります。
キーワードは「真の多国間主義」
習主席が繰り返し強調したのが「真の多国間主義」です。多国間主義とは、少数の国だけでなく、多くの国や地域が国際ルールづくりや課題解決に参加し、協力する考え方を指します。
習主席は、中国とペルーが協力して次のような方向性を打ち出すべきだと述べています。
- 真の多国間主義を掲げ、国際協調を重視する
- 力の大きさだけでなく、互いの尊重に基づく、公平で秩序ある多極化を進める
- 一部の人だけでなく、多くの人々に恩恵が行き渡る包摂的な経済グローバル化を目指す
こうした方向性は、保護主義や分断の動きが目立つ国際社会の中で、対話と協力を通じて安定を図ろうとする姿勢とも言えます。
3つのグローバル・イニシアチブで協力
習主席はさらに、中国が提唱してきた三つの枠組み──グローバル発展イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル文明イニシアチブ──をペルーと共に実行していく考えを示しました。
それぞれのイニシアチブは、おおまかに次のような分野を意識しています。
- グローバル発展イニシアチブ:貧困削減やインフラ整備、人材育成など、持続可能な発展を支える協力
- グローバル安全保障イニシアチブ:対立ではなく対話を重視し、地域の安定を図る安全保障の考え方
- グローバル文明イニシアチブ:異なる歴史や文化を尊重し、交流を通じて相互理解を深める取り組み
習主席は、こうした取り組みを通じて「人類運命共同体」、つまり国や地域の違いをこえて共通の未来を築くというビジョンを、中国とペルーが共に推進できると呼びかけています。
「歴史の岐路」に立つ世界で
署名記事の中で習主席は、世界が「百年に一度とも言えるスピードで変化しており、人類は再び歴史の岐路に立っている」と指摘しました。気候変動、経済の不確実性、安全保障不安など、国境をこえる課題が重なる中で、どのような国際秩序を目指すのかが問われている、という問題意識です。
中国とペルーが掲げる真の多国間主義や包摂的なグローバル化は、その問いに対する一つの答えでもあります。国際社会が分断に向かうのか、それとも対話と協力を重ねていくのか。今回のメッセージは、ラテンアメリカとアジアを結ぶパートナーシップのあり方を考えるきっかけになりそうです。
日本を含むアジアの国々にとっても、多国間の枠組みをどう活用し、どのように包摂的な成長と安定を実現していくかは共通の課題です。APEC首脳会議で示されたこうしたメッセージは、現在も国際議論の一つの軸となっています。
Reference(s):
President Xi: China ready to champion true multilateralism with Peru
cgtn.com








