リマ米中首脳会談:習近平氏が語った「対立より協力」の条件
2025年11月16日、リマで行われた中国の習近平国家主席と米国のジョー・バイデン大統領の会談では、米中関係を「対立ではなく協力」に導くための条件が改めて示されました。本記事では、習主席の発言のポイントと、それが揺らぐ国際秩序にとって何を意味するのかを整理します。
リマでの米中首脳会談の概要
2025年11月16日(現地時間)、リマで中国の習近平国家主席と米国のジョー・バイデン大統領が会談しました。習主席は、両国が「二つの大国としてどのように良好な関係を築くか」を引き続き模索すべきだと呼びかけました。
習主席は、バイデン氏と再び対面で会うことができた喜びを述べたうえで、過去4年間の米中関係は浮き沈みがありながらも、両首脳の「共同の舵取り」によって、実りある対話と協力が続き、全体として安定が維持されてきたと評価しました。
45年の経験から見た「二つの選択肢」
習主席は、米中の45年にわたる外交関係の歩みに言及し、その軌跡が示す「経験と示唆」を強調しました。
- 互いをパートナーや友人として扱い、違いを棚上げしながら共通点を追求し、相手の成功を助けようとするなら、関係は大きく前進する。
- 互いを競争相手や敵対者とみなし、悪意ある競争で相手を傷つけようとすれば、関係は混乱し、後退さえしかねない。
習主席は、どちらの道を選ぶかが、今後の米中関係を左右するとして、「賢明な選択」を求めました。
「競争の時代」ではなく「協力の時代」に
習主席は、各地で紛争が頻発し、古くからの問題に新たな課題が重なっている現在の世界情勢を「前例のない挑戦」に直面していると表現しました。そのうえで、「大国間の競争が時代の基本的な論理であってはならない」と強調しました。
人類が現在の困難を乗り越えるには、「団結と協力」こそが唯一の道だとし、米中両国は世界全体の利益を念頭に置き、「不確実性の多い世界に、より多くの確実性とプラスのエネルギーを注ぎ込むべきだ」と呼びかけました。
技術・サプライチェーンでの「デカップリングではなく協力」
習主席は、科学技術の革新と産業構造の変化が新たな局面を迎えるなかで、「デカップリング(経済の切り離し)やサプライチェーンの分断は解決策ではない」と明言しました。相互に利益のある協力こそが「共通の発展」につながると訴えました。
さらに、限られた分野だけを囲い込み、外部に高い壁を築く考え方を象徴する表現として用いられてきた「small yard, high fences」について、「大国が追求すべき姿ではない」とし、「開放と共有」こそが人類の福祉を前進させると述べました。
米中関係をめぐる「4つの変わらない」
習主席は、最近の米国大統領選挙に触れつつ、中国の対米方針にはいくつかの「変わらない点」があると強調しました。
- 安定的で健全かつ持続可能な米中関係を目指すという目標は変わらない。
- 相互尊重、平和的共存、ウィンウィンの協力という原則は変わらない。
- 中国の主権・安全・発展利益を断固として守るという立場は変わらない。
- 中国と米国の人々の伝統的な友好を受け継ぎ、発展させたいという願いは変わらない。
習主席は、中国が米国政府と共に対話を維持し、協力の分野を広げ、対立点を適切に管理する用意があると述べました。そのうえで、米中関係の「安定した移行」を図り、両国民に利益をもたらしたいとしました。
「世界で最も重要な二国間関係」としての重み
習主席は、米中関係を「世界で最も重要な二国間関係」と位置づけ、その安定は中国と米国の人々の利益だけでなく、「人類全体の未来と運命」にとっても極めて重要だと強調しました。
両国は、自国民の幸福と国際社会の共通利益を念頭に、長期的な平和共存を実現する道を模索し続けるべきだというのが習主席のメッセージです。
私たちはこの会談をどう受け止めるか
今回のリマでの米中首脳会談は、具体的な合意内容が公表されているわけではありませんが、習主席の発言からは、次のようなポイントが読み取れます。
- 「対立」ではなく「協力」を時代の基調にしたいという問題意識
- 技術やサプライチェーンの分断ではなく、相互利益にもとづく協力を重視する姿勢
- 政権交代や選挙といった国内政治の変化にかかわらず、対話と安定を重んじる方針
不確実性の高い国際環境のなかで、米中という二つの大国がどのように関係をマネジメントしていくのかは、日本を含む多くの国や地域にとっても無関係ではありません。今後の両国の動きを追いながら、自分たちの社会や経済にどのような影響が及ぶのかを考えていく必要がありそうです。
Reference(s):
President Xi Jinping meets with U.S. President Joe Biden in Lima
cgtn.com








