北京を一色で表すなら?名匠が選んだ静かな青 video poster
北京の性格を一色で表すとしたら、どんな色になるのでしょうか。クロワゾネの名匠である Shen Wenguang 氏は、その問いに答えるために都市を見つめ直し、最終的に「静けさ」と「荘厳さ」を宿した特別な青にたどり着きました。本記事では、この国際ニュースの背景にある発想と、都市と色の関係を日本語でやさしくひもときます。
北京の「カラフルな個性」を探る旅
中国の首都・北京は、歴史と最新トレンドが同居する大都市です。その「個性」を一色で表したいと考えたのが、クロワゾネのマスター・デザイナーである Shen Wenguang 氏でした。
氏は、北京という都市をひとりの人物のようにとらえ、その性格を象徴する色を探し始めます。街路、建物、人びとの暮らしの空気感までを含めて、どの色が最もふさわしいのかを見極めようとしたのです。
試行錯誤の末、別の熟練したクラフトマンの協力も得ながら、彼が選び取ったのは独特の青でした。その青は、北京の静かな落ち着きと、首都としての荘厳さを同時に感じさせる色だといいます。
伝統工芸クロワゾネから生まれる北京の青
Shen Wenguang 氏は、クロワゾネと呼ばれる金属工芸の名匠です。クロワゾネは、金属の表面に細い仕切りを作り、その中に色ガラスの粉を詰めて焼き上げることで、鮮やかな色彩と繊細な模様を生み出す技法です。
色をつくる工程では、わずかな配合の違いや焼成時間の差によって、印象が大きく変わります。今回の「北京の青」も、単に既存の色を選んだのではなく、何度も試作を重ねてたどり着いた色だと考えられます。
色づくりは名匠どうしの共同作業
今回の取り組みでは、Shen 氏自身がマスター・デザイナーでありながら、別のマスタークラフトマンの助けを借りて色を決めています。これは、伝統工芸の世界では自然なことです。
デザインのコンセプトと、実際に素材を扱う技術。それぞれの分野のプロフェッショナルが対話を重ねることで、ようやく一つの色が現実の作品として立ち上がります。「北京の青」は、まさにその共同作業から生まれた色だといえるでしょう。
なぜ北京は「青」なのか
北京と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは、華やかな赤や金色かもしれません。しかし、Shen 氏が選んだのは、あえて落ち着いた青でした。
静けさと荘厳さを映す色
青は、静けさや深さを連想させる色です。都市としての北京には、大通りのにぎわいや新しいビル群だけでなく、長い歴史を刻んできた建築や、厳かな雰囲気をたたえた空間も数多く存在します。
「北京の青」は、そうした静かな側面をすくい上げる色だと考えられます。日常の喧騒の奥にある落ち着きや、長い時間の積み重ねがつくり出す重みを、ひとつの色で象徴しようとする試みです。
都市ブランディングとしての「色」
世界の多くの都市が、自分たちのイメージカラーを打ち出し始めています。色は、一瞬で印象を伝える「言語」のようなもので、国際ニュースや観光、ビジネスの場面でも重要な役割を果たします。
都市の色は、次のような場面で力を発揮します。
- 空港や駅、公共交通のデザインに一貫して使うことで、「その街らしさ」を演出する
- 国際イベントやスポーツ大会で、都市を象徴するビジュアルとして発信する
- 伝統工芸品や土産物に取り入れ、街のストーリーを持った商品として届ける
北京の個性を表す青も、こうした都市ブランディングの一つの試みとして見ることができます。伝統工芸であるクロワゾネを通じて色を立ち上げた点も、歴史と現代性をつなぐアプローチといえるでしょう。
私たちにとっての問い あなたの街の色は何色か
Shen Wenguang 氏の挑戦は、「都市の性格を色で表す」というシンプルな問いから始まりました。そして、北京の静けさと荘厳さを映した特別な青という答えに行き着いています。
このニュースは、私たち自身にも問いを投げかけます。あなたが暮らす街を一色で表すとしたら、どんな色を選ぶでしょうか。その色には、どんな物語や記憶が重なっているでしょうか。
スマートフォンの画面越しに世界のニュースを追いながら、身近な街の風景を思い浮かべてみる。北京の青は、そんな小さな想像のきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








