中国の王毅外相、人権は「発展と協力」で守るべきと強調
中国の王毅国務委員兼外相は2025年12月8日、浙江省杭州市で開かれた経済的・社会的・文化的権利に関する国際対話に書面メッセージを寄せ、人権は発展と国際協力を通じて守られるべきだと呼びかけました。
背景:緊張高まる世界と「人権ガバナンス」の課題
王毅外相はメッセージの中で、地政学的な対立の激化、経済回復の停滞、人権ガバナンス(人権を守るための国際的な仕組み)の格差拡大など、世界がいま深い変動のただ中にあると指摘しました。
そうした状況だからこそ、すべての人が経済的・社会的・文化的権利を平等に享受できるようにすることが重要だと強調しています。
杭州で開かれた「エルナン・サンタクルス対話」
今回の「エルナン・サンタクルス対話(Hernán Santa Cruz Dialogue on Economic, Social and Cultural Rights)」は、中国外交部(外務省)と国連人権高等弁務官事務所が共催し、杭州市で開催されています。王毅外相は参加者に向けて書面メッセージを送り、対話の開催を歓迎しました。
王毅外相が示した人権保護の方向性
王毅外相は、すべての人の人権を実現するために必要な方向性として、次の点を挙げました。
- 「真の多国間主義」を堅持し、国際社会が協調して人権課題に取り組むこと
- 各国が自国の国情に応じて選ぶ人権発展の道を尊重すること
- 平等と相互尊重に基づき、対話と協力を強化すること
- グローバルな連帯と協調を強めること
- 先進国が途上国への支援を拡大し、「誰一人取り残さない」ようにすること
とくに、発展と協力を通じて人権を促進するという考え方は、中国が国際社会で繰り返し打ち出しているメッセージでもあります。
中国の人権の歩みと「中国式現代化」
王毅外相は、中国の人権分野での歩みについても言及しました。中国は「人々を第一に考える」方針を掲げ、時代の流れに合い、国情にも適した人権発展の道を見いだしたと述べました。
そのうえで、「中国の人権事業は歴史的な成果を上げており、経済的・社会的・文化的権利(ESCR)の保護は新たな高みに達している」と評価しました。
また、今年7月に開かれた中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議について、王毅外相は「中国式現代化」を進めるための改革の青写真を描いたものだと説明しました。こうした改革が、中国の人々がより高い水準で経済的・社会的・文化的権利を等しく享受できるようにするうえで、有利な条件を整えるとしています。
経済的・社会的・文化的権利(ESCR)とは
経済的・社会的・文化的権利(ESCR)とは、教育や医療、雇用、住まい、文化活動への参加など、人々の暮らしの基盤に関わる権利を指します。王毅外相は、こうした権利への平等なアクセスを実現することこそが、現在の国際社会における人権の鍵だと位置づけました。
「安全・発展・協力」で人権を進める
メッセージの締めくくりで王毅外相は、中国が今後も各国や国連機関とともに、人類共通の価値を追求していく姿勢を改めて示しました。
具体的には、「安全によって人権を守り、発展によって人権を促進し、協力によって人権を前進させる」という立場を掲げ、世界の人権事業の健全で持続可能な発展に貢献していくとしています。
人権をめぐる国際議論では、自由や権利の保障に加え、貧困削減や教育、医療といった発展の側面をどう位置づけるかが重要なテーマとなっています。杭州で行われている今回の対話は、発展と人権、協力と人権を結びつけて考えようとする中国のアプローチを読み解く場にもなっていると言えるでしょう。
Reference(s):
Chinese FM urges human rights protection through global cooperation
cgtn.com








