中国、シリア和平と再建対話を支持 王毅外相が包摂的解決を強調
中国の王毅国務委員兼外相は、北京で開かれたエジプト外相との共同記者会見で、不安定な状況が続くシリアについて、早期の和平実現と、包摂的な対話を通じた再建計画づくりを中国が支持すると表明しました。2025年12月時点で続く中東情勢の緊張のなかで、中国のスタンスを示す発言として注目されています。
北京での共同会見、焦点はシリア情勢
王毅氏は、中国とエジプトの外相戦略対話終了後に行われた共同記者会見で、記者からの質問に答える形でシリア問題への見解を示しました。中国共産党中央政治局委員でもある王氏は、シリア情勢が最近再び不安定になっていることに「高度の関心」を持っていると述べています。
王氏によると、中国は長年にわたりシリアとの友好協力の方針を堅持し、シリアの内政に干渉せず、シリアの人々の選択を尊重してきたといいます。そのうえで、次のような立場を示しました。
- シリアができるだけ早く平和を実現することを支持する
- 国連安全保障理事会決議2254の履行と、政治プロセスの前進を後押しする
- 包摂的な対話を通じて、国民の願いに沿った再建計画を模索することを支援する
ここで鍵となるのが、王氏が繰り返し強調した「シリア人主導・シリア人所有」の原則です。
「シリア人主導・シリア人所有」の政治解決
王氏は、シリアの政治プロセスはあくまでシリアが主導し、シリアの人々自身が主体となるべきだと強調しました。これは、解決策を外部から押し付けるのではなく、当事者であるシリアの人々が対話を通じて将来像を決めていくべきだという考え方です。
そのうえで王氏は、将来のシリアはあらゆる形態のテロと過激主義に断固反対する必要があると指摘しました。安全保障と政治的包摂の両立を重視するメッセージといえます。
主権・領土一体性の尊重と制裁解除を呼びかけ
シリアをめぐる国際社会の対応について、王氏は「シリアの主権と領土の一体性を誠実に守るべきだ」と述べ、国家としての一体性の尊重を強く訴えました。同時に、シリアの民族的・宗教的な伝統を尊重し、シリアの人々が自らの将来を独立して決められるようにすべきだとしています。
さらに王氏は、国際社会はシリアに「助けの手」を差し伸べるべきだとして、次の点を挙げました。
- 長年シリアに科されてきた違法な一方的制裁の解除を後押しすること
- 深刻な人道状況の緩和に向けて協力すること
制裁解除と人道支援の強化を同時に求めることで、シリアの生活再建と社会の安定を支えるべきだというメッセージを発した形です。
中東全体の「停戦と政治解決」を強調
王氏はまた、シリアにとどまらず、中東地域全体で続く混乱への中国の見方についても言及しました。現在の中東情勢をめぐって、中国が重視するポイントとして次の三つを挙げています。
- 差し迫った課題:直ちに停戦し、暴力を止め、人道危機を和らげること
- 根本的な出口:政治的な解決にこだわり、対話と交渉を再開すること
- 基本的な原則:人々の自己決定を尊重し、外部からの干渉を避けること
軍事的な手段ではなく、対話と交渉による「政治解決」を重ねて強調する姿勢は、シリア問題に対する中国の立場とも一貫しています。
日本の読者にとってのポイント
今回の発言は、中東やシリア情勢に対して中国がどのような役割を果たそうとしているのかを読み解くうえで、いくつかの示唆を与えます。
- キーワードは「包摂的対話」と「シリア人主導・シリア人所有」
- 主権と領土一体性の尊重、人道支援の強化を重ねて強調
- 違法な一方的制裁の解除を求め、再建と生活支援への国際協力を呼びかけ
- 中東全体での即時停戦と政治解決を求める姿勢を明確化
2025年12月の今も、中東の安定はエネルギーや安全保障などを通じて世界と密接につながっています。今後、シリア和平や中東情勢をめぐる国際的な議論のなかで、中国が今回のメッセージをどのように具体的な行動や外交に反映させていくのかが、一つの焦点となりそうです。
Reference(s):
China backs Syria in rebuilding itself through inclusive dialogue: FM
cgtn.com








