中国ニュース:貴州省で春節前の「赤いもち米ケーキ」作りが最盛期に
貴州・江口県の村で受け継がれる春節前のもち米ケーキ作り
中国・貴州省江口県の村々では、春節(旧正月)を前に、家族や近所の人たちが集まり、伝統のもち米ケーキ作りに励んでいます。赤いもち米をまとったケーキは、新しい一年の幸運を願う象徴として、大切に受け継がれている中国ニュースです。
朝もやの中に立ちのぼる湯気と笑い声
江口県の燕溪村(Yanxi Village)では、まだ日が高くなる前から、家々の庭先のかまどに火が入り、白い湯気が立ちのぼります。住民たちは早朝から集まり、春節の準備として、もち米ケーキ作りを始めます。
白く蒸し上がったもち米の団子は、別に用意した赤いもち米の粉の入った器に転がされ、表面に鮮やかな赤色の衣をまとっていきます。白と赤のコントラストが美しく、まさに新年らしい華やかな食卓を思わせる光景です。
「赤いもち米ケーキ」は幸運のシンボル
燕溪村の住民、李遠珍(Li Yuanzhen)さんは、村の伝統をこう語ります。
「赤いもち米ケーキは、幸運を意味します。どの家でも春節には必ず作ります。今年は30キロ以上のもち米ケーキを用意して、これからの一年が、このケーキのように鮮やかで甘いものになるよう願っています」と話しています。
赤は、中国では幸福や繁栄を象徴する色とされています。赤いもち米ケーキは、単なるスイーツではなく、「良い一年になりますように」という家族の願いを形にした、食べられるお守りのような存在だと言えるでしょう。
家族と地域をつなぐ「年の味」
春節は、中国本土で一年のうち最も重要な祝祭のひとつとされています。都市部では簡略化されたスタイルの過ごし方も増えていますが、貴州省江口県のような地域では、もち米ケーキ作りのような手仕事の行事が、今も生活のリズムの一部として根付いています。
こうした共同作業には、次のような役割があります。
- 家族が一堂に会し、世代を超えてレシピや作り方を伝える場になる
- 近所同士が助け合い、食材や道具を共有することで、地域のつながりを強める
- 子どもたちが、自分たちの文化や季節の行事を、五感を通して学ぶきっかけになる
工業製品や市販のスイーツがいくらでも手に入る時代でも、時間と手間をかけて作る伝統の味には、数字には表れない価値があります。李さんが語る「鮮やかで甘い一年」という願いは、もち米ケーキそのものだけでなく、こうした準備の時間に流れるゆったりとした空気や、人と人とのつながりの記憶も含んでいるのかもしれません。
日本から見える、春節と食文化のヒント
日本でも、正月のおせち料理や餅つきなど、家族や地域で受け継がれてきた行事があります。貴州省・江口県の春節前の光景は、私たちに次のような問いを投げかけているようにも見えます。
- 自分たちの暮らしの中で、大切にしたい「年の味」は何か
- 忙しい日常のなかで、あえて時間をかけて準備したい行事はあるか
- 食を通じて、家族や地域とどんな記憶を共有したいのか
グローバル化が進むなかで、国や地域ごとの行事や食文化は、ともすれば「どこか遠い国の話」に見えがちです。しかし、貴州省の赤いもち米ケーキのニュースは、私たち自身の暮らしを振り返るきっかけにもなります。
新しい一年を迎える準備が進む今、あなたならどんな「一年の願い」を、どんな料理に込めたいですか。
Reference(s):
Villagers in Guizhou make sticky rice cakes ahead of Chinese New Year
cgtn.com








