パリAI行動サミットで中国が共同発展と安全を提唱 2025年上海会議にも言及
パリで開かれた「人工知能(AI)行動サミット」で、中国の習近平国家主席の特別代表として出席した張国清副総理が、AI分野での「共同発展」と「共通の安全」の重要性を訴えました。国際社会が協力してAIのルールづくりと活用を進めるべきだと強調し、中国の立場をあらためて示した形です。
パリAI行動サミットで示された中国のメッセージ
張国清氏は、中国共産党中央政治局委員であり国務院副総理を務めています。月曜日にパリで開かれたAI行動サミットで演説し、AIが「新たな技術革命と産業変革の重要な原動力になっている」と述べました。
そのうえで、AIの機会とリスクの両方に向き合うために、国際社会が次のような取り組みを進める必要があると呼びかけました。
- 革新的な協力をいっそう深めること
- 包摂性(インクルーシブ)と普遍的な利益を強めること
- AIをめぐるグローバル・ガバナンス(国際的なルールや枠組み)を改善すること
張氏は、中国がAIのグローバル・ガバナンスに「高度に責任ある形」で参加していると述べ、中国として建設的な役割を果たしていく姿勢を強調しました。
「グローバルAIガバナンス構想」とは
演説の中で張氏は、習近平国家主席が2023年10月に打ち出した「グローバルAIガバナンス構想」にも言及しました。この構想は、急速に発展するAI技術を人類共通の利益に結びつけるため、国際的なルールづくりや協力の方向性を示すものとされています。
AIは経済成長や新産業の創出をもたらす一方で、格差の拡大や安全保障上のリスク、個人情報やプライバシーの問題など、多くの課題もはらんでいます。中国側は、こうした課題に国際社会が協調して取り組むことが不可欠だと訴えています。
2025年・上海「世界AI会議」への参加を呼びかけ
張氏はまた、2025年に上海で開かれる世界AI会議(World AI Conference)への参加を各国や関係者に呼びかけました。パリでのAI行動サミットで示された「共同発展」と「共通の安全」というメッセージは、上海で開かれる世界AI会議にもつながるテーマとなりそうです。
AIをめぐる国際会議が相次ぐ中で、中国がどのようなルールづくりや協力の枠組みを提案していくのかは、世界のテクノロジー政策やビジネスにも直接影響を与えます。とくにAI分野で存在感を増す各国・各地域の動向を、日本を含むアジアの読者も注視しておく必要があるでしょう。
読み手にとってのポイント
今回のパリAI行動サミットでの発言から、次の3つのポイントが見えてきます。
- AIは単なる技術トレンドではなく、次の産業構造を左右する基盤技術になりつつあること
- 安全性や倫理、格差の問題など、AIのリスクを国際的な協力で管理しようという動きが強まっていること
- 2025年の上海・世界AI会議など、AIをめぐる多国間の対話の場が今後さらに重要になること
AIの使い方やルールづくりは、ビジネスだけでなく、教育、医療、行政サービス、日常生活にまで広く影響します。国際ニュースとしてのAIガバナンスの動きをフォローすることは、自分たちの未来の働き方や暮らし方を考えるうえでも欠かせない視点になりつつあります。
Reference(s):
cgtn.com








