ハルビン冬季アジア大会で元宵節 アジア各地が灯りで交流 video poster
2025年2月12日、中国の春節(旧正月)の締めくくりとなる元宵節(ランタンフェスティバル)に合わせて、2025年アジア冬季競技大会の開催地ハルビンで国際文化交流イベントが開かれました。スポーツと中国文化が出会うこの場には、アジア各地から集まった選手や関係者が参加し、灯りと音楽に包まれながら交流を深めました。
ハルビンで開かれた元宵節の国際イベント
このイベントは、中国国際テレビ(CGTN)と中国メディアグループ黒竜江局が共催し、アジアのさまざまな国や地域の選手団、大会関係者、メディア関係者が参加しました。冬のハルビンの冷たい空気の中、会場には赤いランタンが灯され、春節シーズンならではの華やかな雰囲気が広がりました。
会場には、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェート、キルギス、トルクメニスタン、ブータン、スリランカ、モンゴルなど、9カ国・地域からの代表団を含む40人以上が集まりました。国や地域ごとに文化や習慣は違っていても、同じ灯りを見上げながら笑顔で言葉を交わす姿が印象的だったといいます。
湯圓作りと灯籠なぞなぞ 体験する中国文化
元宵節の主役の一つが、丸い甘い団子「湯圓(タンユエン)」です。参加者たちは自ら湯圓を作り、ゆで上がった湯圓を味わいながら、家族の団らんや再会を象徴するこの料理の意味を学びました。丸い形には「家族がそろう」「縁が円満に続く」という願いが込められているとされています。
また、会場では中国の伝統的な遊びである灯謎(ランタン・リドル)にも挑戦しました。ランタンにぶら下がったなぞなぞを解くこの遊びは、大人も子どもも一緒に楽しめる元宵節の風物詩です。国籍や母語が違う参加者同士が、身ぶり手ぶりを交えながら答えを考える姿は、言葉の壁を越えたコミュニケーションそのものでした。
無形文化遺産の展示で知る中国文化の奥行き
イベントでは、中国の無形文化遺産を紹介する展示コーナーも設けられました。訪れた人びとは、筆と墨で文字の美しさを表現する書道、魚の皮を使った独特の質感が魅力の魚皮絵、漆を何度も塗り重ねて仕上げる漆器など、多彩な工芸に触れました。
さらに、中国の伝統楽器である古筝や古琴の演奏も披露されました。ゆったりとした旋律や繊細な音色が会場を包み、氷点下の屋外とは対照的に、室内には静かな温もりのある時間が流れました。ランタン作りの技法を紹介するコーナーもあり、参加者は色紙や骨組みを手にしながら、自分だけのランタン作りに挑戦しました。
長鼓舞と東北ヤンコ踊り リズムに乗って一緒に踊る
会場の雰囲気をさらに盛り上げたのが、ダイナミックな舞踊パフォーマンスです。力強い太鼓のリズムが特徴的な長鼓舞と、軽快で明るい雰囲気の東北ヤンコ踊りが披露されると、多くの参加者が自然と体を揺らし始めました。
やがて、国際ゲストもステージや広場に招かれ、一緒に太鼓を打ち、踊りのステップを学びました。最初は戸惑いながらも、リズムに乗って笑顔で踊るうちに、一体感が生まれていきます。スポーツという共通項で集まった人びとが、音楽と踊りを通じてさらに距離を縮める瞬間でした。
ロボット犬も登場 伝統とテクノロジーの共演
今回のイベントには、巡回用のロボット犬も登場しました。四足で軽やかに動き回る姿は、多くの参加者の注目を集め、スマートフォンで撮影する人の姿も見られました。伝統的なランタンの灯りや古典楽器の音色の中に、最新テクノロジーが違和感なく溶け込んだ光景は、中国社会が持つダイナミックさを象徴しているといえるかもしれません。
アジア冬季競技大会は過去最大規模に
今回の元宵節イベントは、アジア冬季競技大会の開催に合わせた文化プログラムの一環でもあります。今大会には、34の国と地域から1270人以上の選手が参加し、大会史上最大規模となりました。サウジアラビアやカンボジアなどの選手が初参加となり、次回大会はサウジアラビアで開催される予定です。
- 参加選手は1270人超
- 参加国・地域は34に拡大
- サウジアラビアやカンボジアなどが初参加
スポーツの国際大会が競技の場であると同時に、出会いと学びの場でもあることを改めて印象づける数字です。
スポーツと文化がつなぐアジアの友情
今回のイベントには、アジアオリンピック評議会の副会長ホー・ゼンティン氏、同評議会のメディア・放送部門トップである周健氏、中国香港代表団の団長を務め、全国人民代表大会(全人代)代表でもあるフォク・カイコン氏など、スポーツ界と政治の要職にある人物も参加しました。
国や地域の代表として日々多忙な彼らが、湯圓を味わい、ランタンを眺めながら談笑する姿は、政治や経済の交渉とはまた別の形で信頼関係を育む時間になったといえます。選手やメディア関係者にとっても、中国文化に直接触れ、主催地の人びとの思いを知る機会となりました。
スポーツは、勝敗やメダルだけでは語りきれない価値を持ちます。異なるバックグラウンドを持つ人びとが一つの場所に集まり、同じ時間を共有することで、お互いへの理解や敬意が少しずつ積み重なっていきます。今回の元宵節イベントは、そうした目に見えにくいレガシーが生まれる瞬間を切り取った国際ニュースといえるでしょう。
2025年のアジア冬季競技大会は、競技結果だけでなく、こうした文化交流の積み重ねが、今後のアジアの関係や若い世代の価値観にも静かに影響を与えていくかもしれません。ニュースを追う私たちにとっても、スポーツ×文化×テクノロジーという視点から大会を見つめてみることで、新しい発見が生まれそうです。
Reference(s):
Lantern Festival celebrated at Asian Winter Games in Harbin, NE China
cgtn.com








