オランダ大使が語る中国との協力拡大 エネルギー転換からAIまで video poster
中国の年に一度の政治シーズン「両会」にあわせて、オランダの中国駐在大使アンドレ・ハスペルス氏が、中国との関係を「より広く、深く」していく必要性を強調しました。エネルギー転換や食料安全保障、人工知能(AI)、グローバルな安全保障といった分野での協力を呼びかけた発言は、国際ニュースとしても注目に値します。
両会のタイミングで示された「協力拡大」のメッセージ
ハスペルス大使は、中国の年次政治シーズンである両会の時期に、中国国際テレビ(CGTN)と対談し、中国のこれまでの歩みについての見方を語りました。そのなかで、単に二国間の貿易や投資にとどまらず、より広い分野で中国との協力を進める必要があるとしています。
とくに、大使は次のようなテーマで中国との連携を強める重要性を強調しました。
4つの重点分野:エネルギー、食料、AI、安全保障
ハスペルス大使が挙げたのは、現在の国際社会が直面している課題と密接に結びついた4つの分野です。
- エネルギー転換:化石燃料への依存を減らし、持続可能なエネルギーへ移行していく取り組みは、多くの国に共通する課題です。大使は、この分野で中国との協力を拡大する必要性を示しました。
- 食料安全保障:世界的な需給の不安や気候変動の影響が指摘されるなか、安定した食料供給をどう確保するかは喫緊のテーマです。中国とオランダが知見や技術を共有する余地は大きいといえます。
- 人工知能(AI):AIは産業や社会の在り方を大きく変えつつあります。協力の枠組みを広げることで、技術の活用だけでなく、ルールづくりや倫理面での議論も深めることができます。
- グローバル安全保障の解決策:安全保障はもはや軍事だけでなく、経済やサイバー空間、人間の安全を含む広い概念として議論されています。大使は、こうした広義の安全保障に対して、国際社会としての解決策を共に模索する必要性を示しました。
ヨーロッパと中国の協力をどう読むか
今回の発言が示しているのは、中国とヨーロッパの一国であるオランダが、対立ではなく協力を通じて国際課題に向き合おうとしている姿勢です。特定の分野に限定せず、エネルギー転換からAI、安全保障までをひとつの文脈で語っている点は、グローバルな課題が相互に結びついているという認識を反映しているともいえます。
両会という、中国の今後の方向性が注目されるタイミングでこうしたメッセージが発せられたことは、中国との関係をどのように位置づけるのかというヨーロッパ側の視点を読み解くうえでも、重要なシグナルとなります。
日本の読者にとっての意味
日本にとっても、オランダ大使の発言は「ヨーロッパと中国の関係」がどのように変化しうるのかを考える手がかりになります。エネルギー、食料、AI、安全保障といったテーマは、日本も避けて通れない課題であり、中国との協力の在り方を模索している点では共通しています。
今後、こうした分野で中国とヨーロッパがどのような協力の枠組みを築いていくのかは、日本を含むアジアの国々にとっても無関係ではありません。オランダ大使の「協力拡大」というメッセージは、国際社会が分断ではなく、課題ごとの具体的な連携をどのように組み立てていくのかを考えるきっかけとなりそうです。
Reference(s):
Dutch ambassador to China calls for expanded ties with China
cgtn.com








