シカゴ発 中国の「質の高い発展」とイノベーションを語る国際対話
中国の「質の高い発展」とイノベーションをテーマにした国際対話が米シカゴで開かれ、中国の成長が世界経済や米中協力にどんな意味を持つのかが、政治・メディア・投資家の視点から議論されました。
シカゴで開かれた国際対話 テーマは「中国の春」
現地時間の月曜日、米イリノイ州シカゴで、中国メディアグループ(China Media Group、CMG)が主催する国際イベント『China in Springtime: Sharing China's Opportunities with the World Global Dialogue』が開催されました。中国の「質の高い発展」が世界にもたらすメリットを軸に、テクノロジー分野のイノベーションや経済協力の可能性が語られました。
5%成長目標と「中国の自信」 CMGトップが強調
CMGの沈海雄(シェン・ハイション)局長は、2025年の中国の国内総生産(GDP)成長率目標が5%に設定されたことについて、「世界の注目を集め、世界経済の安定にも寄与している」と述べました。その背景には、中国の発展に対する「チャイナ・コンフィデンス(中国の自信)」があり、これが不透明さの増す世界に安定感をもたらしていると強調しました。
また沈氏は、CMGが国際的なメディア・プラットフォームとして果たす役割にも言及しました。人工知能(AI)を活用した「AIビル」や超高精細(ウルトラHD)の実証パークなど、新しい技術を取り入れた発信基盤を整備し、中国式現代化の機会を世界に伝えていく方針です。さらに映画や番組制作を通じて、各国との文化交流を深めていく考えも示しました。
謝鋒大使 2024年の成長とAI・ロボットのブレークスルーに言及
中国駐米大使の謝鋒(シエ・フォン)氏は、今年の「両会」(全国人民代表大会など重要会議)が、中国の質の高い発展の勢いを示したと説明しました。謝氏によれば、2024年の中国のGDP成長率5%は、世界の経済成長の30%を押し上げたとされます。
さらに謝氏は、技術革新の具体例として、対話型AIプラットフォーム「DeepSeek」や、2025年の春節(旧正月)祝賀番組に登場したヒト型ロボットを挙げました。こうした新技術が、中国の成長の質を高める原動力になっていると位置づけています。
対外開放の面では、2025年1月に英国、韓国、オランダから中国への投資が、それぞれ前年同月比で324%、104%、76%増加したと紹介しました。謝氏は、この数字を例に、中国が引き続き開放を拡大し、海外との経済協力を深めていると強調しました。
テック投資家が見る米中イノベーション協力の余地
イベントには、テクノロジー分野の投資家や企業関係者も参加しました。彼らは、中国のイノベーションの成果として、DeepSeekをはじめとするAI技術や、新エネルギー車(電気自動車など)産業の発展を挙げました。
登壇者らは、米国と中国の経済には、イノベーションと製造の両面で補完関係があると指摘しました。そのうえで、両国が協力できる分野として、次のようなテーマを示しました。
- エネルギー転換:再生可能エネルギーや送配電網の高度化など
- 人工知能:産業への応用やサービス分野での共同開発
- 電気自動車:部品供給網や充電インフラの整備での協力
米中両国がこれらの分野で連携すれば、技術革新を通じて世界の課題解決に貢献できるとの見方が共有されました。
元イリノイ州知事・クイン氏「技術でより良い世界を」
イリノイ州の元知事であるパット・クイン氏も登壇し、自身の在任時に見た中国の経済発展について振り返りました。クイン氏は、中国の経済成長に対して好印象を持っているとしたうえで、現在の中国には強いイノベーションの活力が感じられると語りました。
さらにクイン氏は、米国と中国の双方が技術発展を重視している点を指摘し、「両国が協力し、技術の力でグローバルな課題に取り組み、人々の暮らしを良くし、よりよい世界を築くべきだ」と訴えました。
1981メディアに拡散 世界が注目する対話
今回の対話イベントの模様は、世界70の国と地域の1981のメディアによって報じられました。中国メディアグループと登壇者たちは、中国の質の高い発展とイノベーションが世界にもたらす機会、そして米中を含む各国が協力できる余地があることを、広く国際社会に伝えようとしています。
米中関係はしばしば競争や対立の文脈で語られがちですが、この対話は「共に課題を解決するパートナー」としての側面に光を当てた場でもありました。AI、ロボット、新エネルギー車といった技術は、日本を含む世界中の人々の生活や産業構造を大きく変えていく可能性があります。
こうした国際対話に目を向けることは、単に中国経済の動向を知るだけでなく、テクノロジーと協力のあり方を自分ごととして考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Global dialogue discusses China's high-quality development, innovation
cgtn.com








