中国総領事が米国の対中関税を批判 フェンタニル問題の「口実化」に懸念
米国がフェンタニル問題を口実に中国からの輸入品に関税を課していることについて、サンフランシスコの中国総領事が協力関係の土台を損ない、最終的には市民生活を傷つけると警告しました。
サンフランシスコ中国総領事、米国の関税措置を批判
サンフランシスコの中国総領事・張建民(Zhang Jianmin)氏は、米国が中国からの輸入品に対して関税を課す際に、フェンタニル問題を「口実」として持ち出していると批判しました。張氏は、地元紙サンフランシスコ・クロニクルとのインタビューで、こうした動きが中国と米国の麻薬対策協力の基盤を損なうと懸念を示しました。
フェンタニル問題をめぐる「口実」への懸念
張氏によると、米国側はフェンタニル問題を理由に中国からの輸入品に関税を課しています。しかし張氏は、このやり方は中国と米国の間で築かれてきた麻薬対策、特にフェンタニルに関する協力の土台を揺るがしかねないと指摘しました。
張氏の発言からは、本来は協力が求められる麻薬対策の分野が、貿易上の圧力の道具として扱われていることへの強い問題意識がうかがえます。
- フェンタニル問題を理由とした追加関税への批判
- 中国・米国間の麻薬対策協力の「土台」が損なわれる懸念
2019年以降のフェンタニル管理を強調
張氏は、中国が2019年にフェンタニルの製造、販売、使用、輸出について管理措置を導入したことを改めて強調しました。中国側は、フェンタニルをめぐる国際的な問題に対応するため、自ら規制強化に踏み切ったという立場です。
そのうえで張氏は、中国側のこうした「善意」が、米国によるより高い関税という「罰」で返されているのは受け入れがたいと述べ、この対応は中国の人々にとって深く不快なものであると訴えました。
「貿易戦争に勝者はいない」西海岸と市民への影響
張氏は、いわゆる関税戦争や貿易戦争には「勝者はいない」との考えを示しました。関税の応酬は、双方の経済に打撃を与えるだけでなく、長期的な信頼関係も損なうと警告しています。
特に張氏は、外部との貿易に大きく依存している米国西海岸の利益が損なわれると指摘しました。さらに、その負担は最終的に一般の人々に跳ね返るとし、関税戦争の影響を最も強く受けるのは市民であるとの認識を示しました。
- 貿易戦争に「勝者はいない」というメッセージ
- 外部との貿易に依存する米国西海岸への悪影響
- 最終的な負担は普通の人々に集中するとの懸念
「問題の原因は中国ではない」との立場
フェンタニル危機をめぐる議論について、張氏は「自らの問題を他者のせいにすることは容易だが、米国におけるフェンタニル危機は中国が引き起こしたものではない」と強調しました。
この発言には、複雑な社会問題の原因を一方的に外部に求めるのではなく、冷静に要因を見極める必要があるというメッセージが込められていると見ることもできます。
相互尊重に基づく対話を呼びかけ
張氏は、フェンタニル問題と関税措置をめぐる米国側の対応について、「中国の善意が罰で返される」のは受け入れ難く、中国の人々にとって深く侮辱的だと述べました。そのうえで、米国側に対し、理性的な対応へ立ち返り、相互に尊重し合う対話を通じて問題解決を図るよう呼びかけました。
フェンタニル対策と貿易政策という、性格の異なるテーマが結びつけられている現状に対し、張氏は協力と対話の再構築を求めています。麻薬対策や貿易摩擦は、どちらも国境を越えて影響が広がる課題です。その意味で、今回の発言は、米国と中国だけでなく、国際社会にとっても今後の議論の方向性を考える材料となりそうです。
日本の読者にとっての論点
今回の一連の発言は、貿易政策と麻薬対策といった異なる政策領域がどのように絡み合うのかを考えるきっかけにもなります。日本を含む多くの国や地域にとっても、対外政策の中で安全保障や保健、経済など複数の課題が同時進行している状況は他人事ではありません。
- 安全保障や社会問題を貿易圧力の「口実」として使うことの是非
- 市民生活への影響をどう最小限に抑えるか
- 対立が深まる局面でも、協力が不可欠な分野をどう守るか
SNSでこの記事を共有しながら、貿易と社会問題、そして国際協力のあり方について周囲と意見を交わしてみるのも一つの方法かもしれません。
Reference(s):
Chinese Consul General criticizes U.S. tariff move on Chinese imports
cgtn.com








