中国外務省、G7に国際協力重視を要請 台湾や安全保障巡り反論
G7に「対立より協力を」 中国外務省が国際協力の強化を要請
中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、主要7か国(G7)外相会合の声明と海洋安全保障・繁栄に関する宣言についてコメントし、G7に対し中国の主権や内政を損なう行為をやめ、国際社会の連帯と協力に資する行動をとるよう求めました。この動きは、台湾問題や安全保障、経済をめぐる中国とG7の見解の違いが改めて浮き彫りになった国際ニュースです。
G7声明を「事実と真相の歪曲」と批判
毛報道官によると、G7外相声明と海洋安全保障・繁栄に関する宣言は、台湾問題や海洋問題に関して「無責任な発言」を行い、中国がロシアに武器や軍民両用(デュアルユース)部品を提供しているとの疑い、中国のいわゆる「過剰生産能力」や軍備増強への懸念なども示しました。
これに対し毛報道官は、両文書は「事実と真相を意図的に歪曲し、中国を貶め、中国の内政に干渉するものだ」と述べ、中国は強い遺憾と断固たる反対を表明し、関係国に厳正な抗議を行ったとしています。
台湾問題と南シナ海情勢 外部干渉に改めて反対
毛報道官は、台湾問題は中国の核心的利益の中でも「核心」であり、いかなる外部勢力の干渉も容認できないと強調しました。G7が台湾問題に言及したことについて、中国側は主権と領土一体性に関わる問題への介入だとみなし、強く警戒しています。
また、南シナ海の状況については「全体として安定しており、航行と上空飛行の自由が問題になったことはない」と説明。G7側が懸念を示した海洋安全保障について、中国は「対立をあおり、紛争を挑発する行為をやめるべきだ」として、自制を求めました。
ウクライナ問題と軍備を巡る指摘に反論
ウクライナ情勢に関して、G7は中国がロシアに武器や軍民両用の部品を提供している可能性への懸念を示しました。これに対し毛報道官は、中国は一貫してウクライナ問題で和平交渉を推進しており、紛争当事者のいかなる側にも殺傷能力のある武器を提供していないと反論しました。また、軍民両用品についても厳格な輸出管理を行っていると強調し、「責任転嫁は受け入れられない」とG7の姿勢を批判しました。
軍備や核戦力をめぐる議論については、中国は核戦力を「国家安全保障に必要な最小限の水準」に維持していると説明。国防費も国家の主権や安全、発展利益を守るために必要なものであり、その水準は「公開され、透明で、合理的かつ適切だ」との立場を示しました。
毛報道官はさらに、軍縮に対する米国の責任や、米英豪による安全保障枠組みAUKUSがもたらす核拡散リスクには触れず、中国に矛先を向けるG7の姿勢は「典型的なダブルスタンダードだ」と指摘しました。
「過剰生産能力」めぐる論争と経済関係
近年の国際経済ニュースで頻繁に登場する「過剰生産能力」とは、特定の産業で供給が需要を大きく上回る状態を指します。G7の声明は中国の「過剰生産能力」に懸念を示しましたが、毛報道官は「中国の過剰生産能力」という言説はすでに虚偽の命題だと述べ、この見方を強く否定しました。
そのうえで、G7各国に対し、貿易や経済関係を政治問題化したり「武器化」したりすることをやめ、国際経済秩序を損ない、世界の産業・サプライチェーンを不安定にする行為をやめるよう求めました。中国側は、健全な経済協力こそが各国の利益にかなうとの姿勢を示しています。
G7に求める役割 「冷戦思考」を捨て国際協力へ
今回の会見で毛報道官は、G7に対し「歴史の大勢を見据え、冷戦思考やイデオロギー上の偏見を捨てるべきだ」と呼びかけました。そのうえで、中国の主権を損なう行為や内政への干渉、対立や陣営対立をあおる行動をやめるよう重ねて求めました。
代わりにG7が取り組むべき課題としては、地球規模の課題への対応や世界の発展の促進などが挙げられました。中国側は、こうした分野でこそG7が建設的な役割を果たし、国際社会の連帯と協力に資する行動をとるべきだと主張しています。
日本の読者にとっての意味は
G7の一員である日本にとっても、中国とG7の間で続く認識のずれは無関係ではありません。台湾問題、南シナ海、ウクライナ、経済安全保障といった論点は、日本の外交や安全保障政策、ビジネス環境にも直結するテーマです。
一方で、毛報道官が強調した「国際協力」「連帯」というキーワードは、グローバルな課題が山積する2025年の世界で、多くの国が共有する課題でもあります。日本を含むG7各国と中国が、対立と協力のどこに線を引き、どの分野で協力を深めていくのか。今回の中国外務省のメッセージは、その方向性を考えるうえで一つの手がかりと言えそうです。
Reference(s):
China urges G7 to do more things conducive to int'l cooperation
cgtn.com








