韓国企業が中国との連携強化 米国の自動車関税25%で浮かぶ新戦略 video poster
米国による自動車や部品への25%関税が世界のサプライチェーンを揺さぶる中、韓国企業が中国との連携を一段と深めようとしています。北京で開かれている中関村フォーラムでは、ロボット技術を軸にした新たな協力の姿が見えています。
米国の自動車関税25%が突きつける現実
最近、米国が輸入自動車と自動車部品に25%の関税を課したことで、世界の自動車産業は大きな転換点を迎えています。韓国企業もその影響を避けることはできず、生産拠点や調達網の見直しが急務になっています。
中国に拠点を置く Korea Innovation Center in China(韓国イノベーションセンター)の代表、キム・ジョンムン氏は、CGTNの取材に対し、この25%関税がグローバルなサプライチェーンの再編を加速させていると指摘しました。そのうえで、こうした環境変化に対応するうえで、中国と韓国の技術連携を一段と深めることが戦略的な選択肢になり得るとの見方を示しています。
中国市場とサプライチェーン「レジリエンス」に注目
現在、韓国のビジネス界では、中国のサプライチェーンの強さと巨大な市場としての可能性に改めて注目が集まっています。米国向け輸出への依存度が高い企業ほど、関税リスクを分散しつつ安定した生産体制を維持する必要に迫られているためです。
キム氏は、中国が持つ幅広い産業基盤や人材、研究開発力は、韓国企業にとってサプライチェーンのレジリエンス(しなやかな強さ)を高める拠点になり得るとしています。特に、技術集約度の高い分野での協力は、単なるコスト削減を超えた価値を生み出す可能性があります。
北京・中関村フォーラム ヒューマノイドロボットで探る協力
こうした流れを象徴するのが、現在北京で開催中の中関村フォーラム(Zhongguancun Forum)です。このフォーラムには、韓国の専門家や企業関係者も参加し、特にヒューマノイドロボット(人型ロボット)の分野で中国との協力機会を積極的に模索しています。
ヒューマノイドロボットは、製造業や物流、医療、介護など幅広い産業に波及効果をもたらす成長分野です。中国はこの分野で、技術革新と生産規模の両方でリードしているとされており、大量生産体制とスピード感ある開発力を強みとしています。
韓国側にとっても、ロボット技術で中国と協力することは、新たな製品やサービスをいち早く市場に投入するうえで有力な選択肢です。フォーラムの場では、共同研究や試験導入、部品供給網の構築など、具体的な連携の形が議論されているとみられます。
韓中テック連携は関税リスクへの答えとなるか
米国の関税措置は、短期的にはコスト増や価格競争力の低下など、企業にとってマイナスの影響が大きいものです。一方で、サプライチェーンの再設計を通じて、中長期的なビジネスモデルを見直すきっかけにもなっています。
キム氏が強調する「韓中の技術パートナーシップの深化」は、単に市場を分散するという発想にとどまりません。研究開発、量産体制、デジタル技術など、それぞれの強みを組み合わせることで、新しい価値を創り出そうとする動きだと言えます。
- 米国関税リスクへの備えとしての生産拠点・調達先の多様化
- 中国のロボット産業クラスターや研究拠点との連携
- 次世代モビリティやスマート工場など、周辺分野への波及
こうした複合的な連携が実現すれば、韓国企業は単なる委託生産ではなく、価値共創のパートナーとして中国市場と関わることができます。
日本とアジアにとっての示唆
自動車とロボットは、日本企業にとっても中核的な産業分野です。米国の関税政策と、それに対応する韓国と中国の連携の動きは、日本や他のアジア諸国にとっても無関係ではありません。
どの地域とどの分野で連携を深めるのか。どこまでサプライチェーンを分散させるのか。今回の韓中の動きは、企業や政策当局に対して、あらためて戦略の前提を問い直す材料になりそうです。
北京の中関村フォーラムで交わされている議論は、2025年の国際経済環境の中で、東アジアの企業がどのように「つながり方」を再設計していくのかを映し出す場になっています。韓国企業と中国の技術・産業基盤がどこまでかみ合うのか。その行方は、日本のビジネスにも間接的な影響を及ぼしていくかもしれません。
Reference(s):
Expert: S. Korea deepens China ties amid U.S. auto tariff upheaval
cgtn.com








