China Fashion Weekでよみがえる無形文化遺産 貴州発クラフトがランウェイに video poster
2025年に開催された中国のファッションイベントChina Fashion Weekで、貴州の山あいから来たモデルたちが、無形文化遺産として受け継がれてきたクラフトをまといランウェイに登場しました。ミャオ族のバティックやリス族の衣装づくりなど、伝統の技が現代ファッションと出会い、新しい表現としてよみがえっています。
山あいの貴州から、モデルが無形文化遺産をまとって登場
今回のChina Fashion Weekには、中国南西部の山あいに位置する貴州からモデルたちが参加し、自らの地域に根づく文化を身にまとってランウェイを歩きました。都市部のトレンドとは距離のある地域の人びとが、ファッションの最前線で自分たちの物語を伝える場になっていることが印象的です。
国際的な注目を集めるステージの上で、衣装は単なる服ではなく、土地の記憶や生活の知恵を映し出すメディアのような役割を果たしています。山や森、暮らしの風景を思わせる色や模様が、ライトに照らされながら観客の目に焼き付きます。
ミャオ族バティックとリス族の衣装づくりを再解釈
China Fashion Weekで特に目を引いたのが、ミャオ族のバティックとリス族の衣装づくりといった無形文化遺産クラフトをベースにした作品です。世代を超えて受け継がれてきた細かな模様や独自の色づかいが、デザイナーによって現代的なシルエットやスタイリングへと再構成されています。
伝統的なモチーフや制作手順を尊重しながらも、ランウェイの上では次のような形でアップデートされています。
- 幾何学的な伝統模様を、大胆な配色や異素材の組み合わせで再配置する
- もともと儀式や祭礼に用いられた衣装を、日常でも着られる軽やかな形にアレンジする
- 一着ごとの背景にある物語を、音楽や照明と連動させて演出として見せる
こうした工夫によって、ミャオ族やリス族のクラフトは、単に懐かしさを感じさせる要素ではなく、今の時代の感覚に響くデザインとして海外のバイヤーやメディアの目にも映ります。
ランウェイがひらく、地域と世界の新しい関係
無形文化遺産のクラフトとファッションを組み合わせる動きは、単なるトレンドではなく、地域と世界の関係を組み替える試みでもあります。China Fashion Weekのような場で注目を集めることで、これまで外から見えにくかった地域の技や暮らしに光が当たります。
クラフトに新しい価値を与える
もともと生活のための道具や祭礼の衣装として生まれたクラフトが、ファッションとして再提示されることで、次のような変化が期待できます。
- 地域の技に対する認知が高まり、若い世代が継承に関心を持ちやすくなる
- 一点物の魅力や手仕事の価値が、量産品とは違う新しい選択肢として意識される
- 地域と外の世界をつなぐ仕事やコラボレーションの機会が生まれる
無形文化遺産を守るというと、博物館で静かに保存するイメージを持ちがちですが、ランウェイでの実践は「使い続けることで受け継ぐ」という、もう一つのアプローチを示しています。
SNS時代の語れるファッション
今回のような試みは、SNSで情報をシェアすることが当たり前になった世代とも相性が良い動きです。一枚の写真や短い動画の裏側に「どの地域の、どんな人たちが、どのように作った布なのか」というストーリーがあることで、投稿に厚みが生まれます。
単に流行のブランド名を共有するだけでなく、無形文化遺産クラフトの背景にある歴史や暮らしまで含めて語りたくなる。そうした「語れるファッション」が増えることは、消費のあり方をゆっくりと変えていくきっかけにもなります。
私たちがこのニュースから考えたいこと
2025年のChina Fashion Weekで見られた、貴州発の無形文化遺産クラフトと現代ファッションの融合は、日本に住む私たちにとっても他人事ではありません。自国やアジア各地の伝統工芸が、どのように今の暮らしやデザインと結びつき得るのかを考えるヒントになるからです。
国際ニュースとしての注目に加え、私たち一人ひとりが日々選ぶ服や小物の背景に、どんな技術や物語があるのかを意識してみる。そんな小さな視点の変化から、伝統と現代が共存する新しいカルチャーが育っていくのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








