中国国防部、米比合同演習を批判 南シナ海と台湾問題で立場を強調
南シナ海や台湾問題をめぐる緊張が注目される中、中国国防部がフィリピンと米国の軍事協力に対する立場を示しました。地域の安全保障を考えるうえで押さえておきたい発言です。
中国国防部、米比の動きを「地域の利益を損なう」と批判
中国国防部の張暁剛報道官は、木曜日に行われた定例記者会見で、フィリピンが米国やその他の域外の国に迎合し、いわゆる共同演習や共同巡航を実施していると述べました。こうした行動は「地域諸国の共通の利益を深刻に侵害している」とし、強い懸念を示しました。
発言は、最近行われた米比合同軍事演習に関する質問に答える中で示されたものです。張報道官は、軍事協力は特定の第三国を標的にすべきではなく、第三国の利益を損ねたり、地域の平和と安定を損なったりしてはならないと強調しました。
「第三国を標的にしない」軍事協力の原則
張報道官が示したのは、軍事協力は関係国同士の安全や信頼を高めるためのものであり、他の国や地域を不安定にする手段であってはならないという立場です。
- 特定の第三国を名指しした軍事協力にしないこと
- 第三国の正当な利益を損なわないこと
- 地域全体の平和と安定に資する形で行うこと
中国国防部は、米国など域外の国が関与する形でフィリピンが軍事活動を進めることは、こうした原則に反し、地域の緊張を高めるおそれがあると警戒していることがうかがえます。
南シナ海を「平和・協力・友情の海」に
張報道官は会見で、南シナ海は「平和、協力、友情の海」であるべきだと述べました。この言葉には、対立や軍事的な示威ではなく、対話と協力を通じて安定を維持すべきだというメッセージが込められています。
今回の発言では、南シナ海に関する問題は、関係する国や地域が対話と平和的手段を通じて扱うべきだという考え方が示されています。中国側は、域外の国が緊張をあおるような形で関与するのではなく、地域の平和と協力に資する行動を取るべきだと呼びかけているとも読めます。
台湾問題を口実とした軍事展開に反対
張報道官はまた、台湾問題を口実に、いかなる国も地域での軍事的な展開を強化し、緊張や対立をあおるべきではないと述べました。中国は、台湾に関する問題は自国の主権と領土の完全性にかかわる重要な問題だと位置づけています。
今回の会見でも、中国は自国の領土主権と海洋権益を揺るぎなく守るとともに、地域の平和と安定を維持していくと改めて強調しました。南シナ海情勢と台湾問題をめぐる安全保障上の議論が重なり合う中で、中国側の基本姿勢を示した形です。
アジアの安全保障環境を見る視点
今回の中国国防部の発言は、南シナ海と台湾問題という二つの焦点を通じて、アジアの安全保障環境に対する中国側の見方を示すものです。
- 軍事協力は第三国を狙うべきではないという原則の再確認
- 南シナ海を対立ではなく協力の場と位置づける姿勢
- 台湾問題をめぐる外部勢力の関与に対する強い警戒感
アジアで暮らす私たちにとっても、各国や地域がどのような言葉で安全保障を語り、どのような原則を掲げているのかを丁寧に追うことは、ニュースを読み解く上で重要になってきます。今回の発言をきっかけに、南シナ海や台湾問題をめぐる国際ニュースを、立場の違いも含めて多角的に考えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
China: Philippines' provocations violate regional countries' interests
cgtn.com








