中国、2035年までにEVを新車販売の主流に 運輸部門のグリーン転換を加速
中国が2035年までに電気自動車(EV)を新車販売の主流とする方針を打ち出しました。交通インフラと再生可能エネルギーの整備を一体で進めることで、運輸部門全体のグリーン転換を加速させる狙いです。
2035年に向けたEVシフトの新方針
今回公表された通達は、交通運輸部を含む複数の部門が共同で発出したもので、中国の運輸分野における長期的な方向性を示しています。文書では、次のような目標が掲げられています。
- 2035年までに、純電気自動車(EV)を新車販売の主流とすること
- 新エネルギー大型トラックの大規模な普及を実現すること
- 運輸部門向けのグリーン燃料供給システムを構築すること
乗用車だけでなく、物流の要となる大型トラックまで含めて新エネルギー化を進めることで、運輸部門全体の排出削減を狙う構図が見えてきます。
交通インフラと再生可能エネルギーを一体整備
通達は、鉄道、道路、港湾などの交通インフラと、クリーンエネルギーの開発・利用を密接に結び付けて進める方針を強調しています。
具体的には、インフラの沿線や周辺地域で、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーを積極的に導入し、運輸部門での利用拡大を図るとしています。これにより、
- EVの普及に不可欠なエネルギー供給の安定化
- 交通インフラ自体の運営に伴う環境負荷の低減
といった効果が期待されています。
トラック・船・航空・物流まで広がるグリーン化
今回の方針は、乗用車のEV化にとどまらず、運輸部門全体のグリーン化を視野に入れています。
- 新エネルギー大型トラックの大規模な導入
- グリーンで低炭素な船舶の利用拡大
- 新エネルギー航空機の活用推進
- 郵便・宅配サービスのグリーンで低炭素な運営
とくに郵便や宅配などのサービスは、オンライン消費の拡大に伴い物流量が増えている分野です。この領域での低炭素化は、日常生活とも直結するテーマといえます。
グリーン転換を支える資金面の後押し
通達は、野心的な目標を実現するためには資金面での後押しが不可欠だとし、金融支援の強化も打ち出しています。
活用が想定されている主な資金手段は次の通りです。
- 地方政府の特別債(特別な目的のために発行される地方債)
- グリーンローン(環境関連プロジェクト向けの融資)
- グリーンボンド(環境分野の資金調達に特化した債券)
- 技術革新や設備高度化を支える再貸出資金
こうした公的資金やグリーン金融を活用することで、インフラ整備や車両更新に必要な投資を呼び込み、企業や自治体の取り組みを後押しする狙いがあります。
運輸部門のグリーン化が意味するもの
運輸部門は、エネルギー消費と温室効果ガス排出の両面で大きな比重を占める分野です。今回の方針は、乗用車からトラック、船舶、航空、物流サービスに至るまで、広い範囲でクリーンエネルギーへの転換を進めようとするものです。
新車販売の主流をEVにするという目標は、自動車産業だけでなく、充電インフラやエネルギー供給、都市計画など、多くの分野に影響を及ぼします。交通インフラと再生可能エネルギーを一体で整備するという考え方は、運輸とエネルギーを別々に見るのではなく、システム全体で最適化していこうとする動きの一つといえます。
今後、中国の取り組みがどのように進み、国際的なEV市場やグリーン技術の競争にどのような影響を与えるのかは、日本を含む各国・地域にとっても注目すべきポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








