王毅外相「妥協はいじめ助長」BRICS外相会合で多国間主義を強調
ブラジル・リオデジャネイロで8日に開かれたBRICS外相会合で、中国の王毅国務委員兼外交部長は、多国間主義と世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易ルールの擁護を改めて強調し、米国の一国主義的な通商政策を厳しく批判しました。
BRICS外相会合で何が語られたのか
国際ニュースとして注目されるBRICS外相会合は、新興国を中心とした枠組みの外相が集まり、外交や経済の課題を協議する場です。今回はリオデジャネイロで開催され、中国の王毅氏(中国共産党中央政治局委員)が各国代表の前で演説しました。
王毅氏は、中国が多国間主義と多国間貿易ルールを堅持する姿勢を変えないことを強調し、現在の国際情勢の中でその重要性が増していると訴えました。
多国間主義と多国間貿易ルールの重視
演説で王毅氏は、複数の国や地域が共通のルールに基づいて協力する多国間主義が、世界経済の安定に不可欠だと強調しました。特に、世界貿易機関(WTO)を中核とする多国間貿易ルールを守ることが「不可欠だ」との認識を示しました。
こうした立場は、通商問題を二国間の力関係ではなく、合意されたルールに基づいて処理すべきだという考え方に立つものです。
米国の通商政策を一国主義と批判
王毅氏は米国について、長年にわたり自由貿易から「莫大な利益」を得てきたにもかかわらず、現在は自国を最優先し、国際的な公共の利益よりも自国の利益を優先していると指摘しました。
さらに、米国が関税を交渉のてことして活用し、他国に対して過大な要求を突きつけていると批判しました。こうした姿勢は、一国主義(ユニラテラリズム)であり、多国間のルールを損ないかねないというのが王毅氏の見方です。
「沈黙と妥協はいじめを助長」王毅氏の警告
王毅氏は、強硬な通商政策や一方的な圧力に対し、各国が沈黙したり安易に妥協したりすれば、それは「いじめる側」をさらに増長させるだけだと警告しました。
不公平だと感じる行動に対して声を上げずに受け入れてしまうことは、結果として国際ルールを弱め、同様の行動を誘発するおそれがある、というメッセージだと解釈できます。
BRICSに求めた役割
王毅氏は、こうした問題意識を踏まえ、BRICS諸国が担うべき役割として次のような点を挙げました。
- あらゆる形の保護主義に共同で反対すること
- 世界貿易機関(WTO)を中核とする、ルールに基づく多国間貿易体制を断固として守ること
- 新興国や発展途上国の正当な発展と利益を守るため、連携して対応すること
特に、関税を通じた圧力など、一方的な通商措置が広がる流れに対して、BRICSが連携して歯止めをかけるべきだという問題提起がにじみます。
国際ニュースとしての意味合いと日本への含意
今回の発言は、中国と米国の間で、貿易ルールや多国間主義をめぐる見方の違いが依然として大きいことを示しています。同時に、多国間の枠組みやルールをどう維持していくのかというテーマは、日本を含む多くの国や地域にとっても重要です。
日本経済は、自由貿易と安定した国際ルールに大きく依存しています。WTOを中心とする多国間貿易体制をどう守り、どのように更新していくのかは、日本企業のサプライチェーンや輸出入の戦略にも影響し得る論点です。
リオデジャネイロでのBRICS外相会合で示された王毅氏の強いメッセージは、今後のBRICSの連携のあり方や、米国を含む主要国との通商をめぐる議論を考えるうえで、一つの重要な材料となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








