中国とイランの核問題対話 王毅外相が支持表明【国際ニュース】
イランの核問題をめぐり、中国の王毅外相がイランの「対話」と国際機関との協力を歓迎し、中国・イラン関係の一層の強化を打ち出しました。緊張が続く中東情勢のなかで、外交と多国間協調を前面に出す動きとして注目されています。
核問題をめぐる「対話」のシグナル
王毅外相は、水曜日にブラジリアで、イラン国家安全保障最高評議会のアリ・アクバル・アフマディアン事務局長と会談しました。王毅外相は、イランと関係国との対話を歓迎するとともに、イランが国際原子力機関(IAEA)と必要な協力を進めることを支持すると述べました。
中国共産党中央政治局委員も務める王毅氏の発言は、イラン核問題で「対話」と「協力」を重視する中国の姿勢をあらためて示した形です。
イラン「核兵器の開発意図はない」
会談でアフマディアン氏は、イランには核兵器を開発する意図はないとあらためて表明しました。そのうえで、イランは「平等と相互尊重」に基づき、関係国との交渉に応じる用意があると強調しました。
王毅外相は、イランが核兵器を追求しないとする立場を評価し、平和的な目的で原子力を利用する権利を尊重すると述べました。また、イランが外交的な努力を続けていることに対しても高く評価しています。
中国が示した三つのメッセージ
今回の会談で、中国側のメッセージはおおきく三つに整理できます。
- 核問題について、イランと関係国との対話と、イランとIAEAの協力を支持すること
- イランの「核兵器を持たない」というコミットメントを重視し、平和的な原子力利用の権利を尊重すること
- この問題について、今後もイラン側と緊密な意思疎通を保っていくこと
中国は、対話と国際機関を通じた枠組みを支えることで、核問題の安定的な管理と外交的解決を後押ししようとしているように見えます。
揺るがない中国・イラン関係と「包括的戦略パートナーシップ」
王毅外相は、両国関係についても言及し、「外部からの妨害や挑戦」があるなかでも、中国とイランの関係は両国首脳の戦略的な指導のもとで前向きな勢いを保っていると評価しました。
中国は、イランの主権や安全、国家としての尊厳を守ることを支持し、イランの内政への外部からの干渉に反対する姿勢を示しました。あわせて、あらゆるレベルでの交流を維持しつつ、意思疎通と協調を強化し、「正当な権益」を共に守るとしています。
両国は「多国間主義」や「国際関係の基本的な規範」を守ることの重要性も強調し、中国・イランの包括的戦略パートナーシップを、より「強靭な」関係へと発展させる方針を示しました。
王毅外相は、両国が包括的な協力計画を着実に実行し、目に見える成果を生み出すことで、二国間関係をさらに豊かにしていく必要があるとも述べました。
イラン側が描く協力の拡大
これに対しアフマディアン氏は、イランと中国の間には強い政治的な相互信頼があり、包括的戦略パートナーシップを深めることはイラン国内の幅広い層の共通認識になっていると述べました。
イラン側は今後、中国との高いレベルでの交流をさらに強め、経済や貿易、科学技術、インフラや交通網などの「連結性」の分野で協力を深めたい考えを示しました。こうした分野での連携を通じて、二国間関係を新たな段階へ引き上げることを目指すとしています。
アフマディアン氏はまた、多国間の課題に関して中国とイランが近い立場を共有していると指摘し、中国が国際舞台でイランのために公正な立場から発言してきたことや、イランとサウジアラビアの関係改善を後押ししてきたことに謝意を示しました。
そのうえで、イランは中国とともに、外部からの干渉や恣意的な関税、一方的な制裁に反対し、公平で公正な国際秩序を守るために協力したいと述べました。
なぜ今、このニュースに注目するのか
今回の会談は、核問題という安全保障上の敏感なテーマと、中国・イランの長期的な協力関係という二つの軸が重なる場となりました。いくつかのポイントに整理すると、ニュースの意味が見えやすくなります。
- イランがあらためて「核兵器は開発しない」と表明し、中国がその立場と平和的な核利用の権利を尊重すると確認したこと
- 中国が、IAEAを含む国際的な枠組みを通じた協力を支持し、核問題の外交的解決を後押ししようとしていること
- 両国が、主権尊重や内政不干渉、多国間主義、公平な国際秩序といった原則を強調し、包括的戦略パートナーシップを一段と深めようとしていること
国際ニュースを追ううえでは、各国の個別の発言だけでなく、「誰と」「どの場で」「どのキーワードを繰り返し強調しているのか」を見ていくことが重要です。今回の中国・イラン会談は、核問題と国際秩序をめぐる両国のスタンスを読み解くうえで、ひとつの分かりやすい素材と言えるでしょう。
Reference(s):
Wang Yi: China welcomes Iran's pursuit of dialogue on nuclear issue
cgtn.com








