中国とドイツ首脳が電話会談 多国間主義と自由貿易の連携強化を確認
中国の習近平国家主席はドイツのフリードリヒ・メルツ首相と金曜日に電話会談を行い、中国とドイツが協力して多国間主義と自由貿易を守り、世界経済の安定的な成長を後押ししていく必要性を強調しました。両国首脳は、戦略的パートナーシップの強化と、中国・欧州関係の安定に向けた役割についても意見を交わしました。
電話会談の概要
今回の電話会談は、国際情勢が不透明さを増す中で行われたもので、中国とドイツの関係をどのように位置づけ、今後どの方向に進めていくのかが主なテーマとなりました。
- 多国間主義と自由貿易の擁護
- 中国・ドイツの戦略的パートナーシップの「新章」
- 自動車や機械からAI・量子技術まで広がる協力分野
- 投資とビジネス環境の改善
- 中国・EU外交関係50周年の節目
- ウクライナ危機をめぐる意見交換
多国間主義と自由貿易をどう守るか
習主席は会談で、中国とドイツはいずれも国際社会で重要な影響力を持つ存在であり、両国が協力して多国間主義と自由貿易を守ることが、世界経済の安定した成長にとって不可欠だと強調しました。
中国とドイツの関係の安定は、両国の利益に資するだけでなく、中国と欧州全体の期待にも合致すると述べ、両国が責任あるパートナーとして国際経済秩序の安定に貢献していくべきだとの考え方を示しました。
戦略的パートナーシップを「新たな段階」に
習主席は、ドイツとの戦略的パートナーシップを新たな章へと進める用意があると表明し、中国・欧州関係の新たな発展をリードしながら、世界経済の安定成長に貢献したいと述べました。
そのために、中国とドイツは以下の点で協力を強化する必要があるとしています。
- 政治的な相互信頼の強化
- ハイレベルの交流を緊密に維持
- 互いの核心的利益を尊重し、関係の政治的土台を固める
こうした政治面の安定があってこそ、経済や技術、気候変動など幅広い分野での協力が持続的に進む、というメッセージがにじみます。
自動車からAI・量子技術まで 広がる協力分野
経済分野では、習主席は自動車、機械、化学といった伝統的な産業での協力を引き続き重視する姿勢を示したうえで、新たな成長分野として最先端技術への連携拡大を呼びかけました。
具体的には、次のような分野が挙げられています。
- 人工知能(AI)
- 量子技術
- 気候変動対策
- グリーン開発(環境に配慮した成長モデル)
気候変動とグリーン開発は、中国、ドイツ、欧州が共通の課題として取り組むテーマであり、技術協力や政策対話を通じて新たなビジネス機会が生まれる余地も大きい分野です。
投資とビジネス環境 中国企業への公平な扱いを要請
習主席は、中国とドイツの協力の勢いをさらに強めたいと述べ、ドイツ側に対し、政策面での支援と二国間投資協力の促進を期待すると表明しました。
特に、ドイツに進出する中国企業に対して、公平で透明性が高く、差別のないビジネス環境を整えることの重要性を強調しました。こうしたメッセージの背景には、各国で安全保障や産業政策を理由に投資審査が厳格化している中でも、開かれた協力を維持していくべきだという問題意識があると読み取れます。
中国・EU外交関係50周年という節目
2025年は、中国と欧州連合(EU)が外交関係を樹立してから50周年に当たる節目の年です。習主席は、この機会にこれまでの中国・EU関係の成功を振り返り、多国間主義、自由貿易、相互協力へのコミットメントを改めて確認すべきだと呼びかけました。
中国とEUの関係は、通商や気候変動、グローバル・ガバナンス(国際的なルールづくり)など、多層的な課題に関わります。習主席は、中国とドイツの連携が、中国・EU全体の安定と協力の前進につながるとの見方を示した形です。
ドイツ側が示した3つのポイント
メルツ首相は会談で、中国の国際社会における重要性を認めつつ、二つの大きな経済を持つ中国とドイツの協力が不可欠だと強調しました。発言内容からは、次のような3つのポイントが浮かび上がります。
- 一つの中国政策の順守
- 建設的かつ実務的な戦略的パートナーシップの発展
- 開かれた、互恵的な協力と公正な貿易の推進
メルツ首相は、ドイツが一つの中国政策を堅持する立場を改めて示し、中国との戦略的パートナーシップを建設的かつ現実的な形で発展させる用意があると述べました。
また、相互に開かれた協力、公正な貿易、世界平和の維持、そして気候変動など地球規模の課題に共に取り組む姿勢も強調しました。中国・EU関係については、その健全で安定した発展が双方の利益にかなうとし、ドイツとして前向きな役割を果たす意欲を示しました。
ウクライナ危機についての意見交換
会談では、ウクライナ危機についても意見交換が行われました。詳細なやり取りは明らかにされていませんが、国際安全保障と地域紛争をめぐる対話が、中国とドイツの首脳レベルの協議においても重要なテーマになっていることがうかがえます。
今回の会談をどう読むか
今回の中国とドイツの電話会談は、多国間主義と自由貿易をめぐるメッセージ発信であると同時に、技術・気候・投資といった実務的な協力の地ならしという側面を持っています。
特に、AIや量子技術、グリーン開発といった分野は、今後の国際競争の鍵を握ると同時に、協調の余地も大きい領域です。中国とドイツ、さらに中国とEU全体の関係がどのように進んでいくのかは、日本を含むアジア経済にも少なからぬ影響を与えます。
多国間主義や自由貿易といったキーワードが、具体的な政策やビジネス環境の改善につながるのか。今回の会談を起点に、今後の動きを中長期的な視点から追っていくことが重要になりそうです。
Reference(s):
Xi calls on China, Germany to safeguard multilateralism and free trade
cgtn.com








