中国・ASEAN外相会合で王毅外相が語った4つの成果とは
マレーシアで木曜日に開かれた中国・ASEAN外相会合で、中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)が、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の協力関係について「4つの成果」を強調しました。経済、安全保障、人の往来まで幅広い分野で進む地域協力の現在地を示す内容です。
中国・ASEAN外相会合で何が話されたのか
王毅外相は会合で、中国が周辺外交においてASEANを常に優先し、同地域を「人類運命共同体」を築くための試験区と位置づけていると説明しました。アジアの平和と繁栄、そしてグローバル・サウスの勢いが増すなかでの地域協力の重要性を強調した形です。
王毅外相が示した4つの成果
1. 共同の未来をめざす絆が一段と緊密に
第一に挙げたのは、「周辺国との運命共同体づくりの絆がいっそう緊密になった」という点です。中国はベトナム、マレーシア、カンボジアとの間で、それぞれの二国間関係を「共同の未来を分かち合う共同体」として位置づけを高め、互恵的な協力をより高い水準へ進めていると述べました。
2. 自由貿易と地域連結性の加速
第二に、地域の開放と協力の歩みが一段と揺るぎないものになったと指摘しました。中国とASEANの自由貿易協定を高度化する「中国・ASEAN自由貿易圏バージョン3.0」の交渉がすでに完了しており、その議定書は今年中(2025年)にも署名される見通しだとしています。
また、中国とASEAN、そして湾岸協力会議(GCC)によるサミットが、地域をまたぐ新しい協力モデルを切り開いたと評価しました。アジアと中東を結ぶ枠組みとして、今後どのような連携が具体化するかが注目されます。
3. 南中国海と越境犯罪での安全保障協力
第三の成果として、安全保障分野の協力の進展が挙げられました。南中国海での行動をめぐる「行動規範(コード・オブ・コンダクト)」の草案について、関係国による第三読会が完了し、違いを管理しつつ全体としての海上の安定が維持されていると説明しました。
さらに、中国はミャンマー、ラオス、タイなどと連携し、オンライン賭博や通信詐欺といった越境犯罪に対する取り締まりを進めているとしています。デジタル空間を悪用した犯罪への対処は、域内の共通課題になりつつあります。
4. ビザ制度で進む人の往来と交流
第四に、人と文化の交流が一段と活発になっている点が強調されました。中国とASEANの双方は、過去2年連続で100件を超える文化・人的交流イベントを開催してきました。
加えて、「ランチャーン・メコン・ビザ」や「ASEANビザ」といった新たなビザ制度が正式に導入され、相互訪問が家族の集まりのように気軽で頻繁なものになりつつあると説明しました。観光だけでなく、ビジネスや留学など多様な往来を後押しするとみられます。
中国とASEANがめざす「共有の家」とは
王毅外相は、中国とASEANが「平和で、安全で、繁栄し、美しく、友好的な共有の家」を築くことをめざしていると述べました。そのうえで、平和、協力、開放、包摂といったアジアの価値を共に掲げ、より緊密な中国・ASEAN運命共同体の構築を進めていく方針を示しました。
また、中国はASEANとともにアジアの再活性化を加速させ、勢いを増すグローバル・サウスのなかで、その存在感を高めていく意欲を示しました。グローバル・サウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの新興国や発展途上国を指す言葉で、世界経済や国際政治で影響力を強めています。
これからの注目ポイント
- 交渉が完了した中国・ASEAN自由貿易圏バージョン3.0が、具体的にどのような内容となり、いつ署名されるのか。
- 南中国海の行動規範が、この先どのような形で最終合意に向かい、海上の信頼醸成や危機管理にどうつながるのか。
- 新たなビザ制度や文化交流が、観光や投資、人材交流の拡大にどこまで波及効果をもたらすのか。
中国とASEANの関係は、東アジアだけでなく、グローバル・サウス全体の行方を左右する重要な軸になりつつあります。今回示された「4つの成果」が、どのように具体的な変化となって現れていくのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
Wang Yi highlights fruitful achievements between China and ASEAN
cgtn.com








