2025年中国映画の夏興行、70億元突破 南京大虐殺描く『Dead To Rights』が牽引
2025年の中国映画の夏シーズンで、前売り券を含む興行収入が70億元(約9億7900万ドル)を超えました。南京大虐殺を描く映画がトップを走り、1日あたりの興行収入も過去最高を記録するなど、中国映画市場の勢いが鮮明になっています。
夏のボックスオフィスが70億元を突破
オンラインの興行収入トラッカーによると、2025年の中国の夏のボックスオフィス(6月1日から8月31日までの期間)は、ある日曜日の午後9時28分時点で70億元を超えました。この数字には前売り券の売り上げも含まれています。
夏休みシーズンの中国映画市場は、世界でも注目される存在であり、2025年もその規模の大きさを改めて示した形です。
南京大虐殺を描く Dead To Rights が独走
この夏の興行をけん引しているのが、南京大虐殺を題材とした映画「Dead To Rights」です。7月25日に公開されたこの作品は、公開からわずか10日間で興行収入15億元(約2億1000万ドル)を突破し、夏シーズンのトップに立っています。
歴史上の悲劇を描いた重いテーマの作品が、エンターテインメント性の高い夏映画シーズンでこれほどの商業的成功を収めている点は、中国の観客の関心の幅の広さを示しているとも言えます。
1日あたり3.8億元の記録的ペース
中国のオンラインチケットプラットフォームの猫眼 Maoyan と灯塔 Beacon のデータによると、6月1日から8月31日まで続く夏の映画シーズンのなかで、ある日曜日には1日あたりの興行収入が3億8000万元に達し、夏シーズンとして過去最高を記録しました。
この単日の数字だけを見ても、映画館に足を運ぶ人が大幅に戻ってきていることが分かります。とくに「Dead To Rights」のヒットが、全体の市場を押し上げている構図です。
ローカル作品とハリウッド作品が上位に並ぶ
夏のボックスオフィスの順位を見ると、1位の「Dead To Rights」に続き、中国のコメディー作品「The Lychee Road」が6億2300万元で2位、ユニバーサル制作の「Jurassic World Rebirth」が5億5500万元で3位につけています。
上位3作品を整理すると、次のようになります。
- 1位 「Dead To Rights」 南京大虐殺を描く作品、公開10日で15億元超
- 2位 「The Lychee Road」 中国のコメディー映画、興行収入6億2300万元
- 3位 「Jurassic World Rebirth」 ハリウッドのシリーズ作品、興行収入5億5500万元
歴史ドラマ、ローカルコメディー、ハリウッドのフランチャイズ作品が並ぶ構図は、中国の観客の好みが一つに偏らず、多様なジャンルの作品が受け入れられていることを示しています。
日本の読者にとっての意味
中国映画市場の動きは、日本を含むアジアの映画ビジネスにも大きな影響を与えます。1本の作品が短期間で10億元を超えるヒットとなる規模の市場では、企画や製作、配給の判断も国際的な視野が求められます。
また、南京大虐殺のような歴史をテーマにした作品が、夏の商業映画として成功している事実は、エンターテインメントと歴史の記憶のあり方について、私たちにさまざまな問いを投げかけます。
中国映画の興行動向は、アジアのポップカルチャーや国際ニュースを読み解くうえでも重要な指標の一つです。どのような物語が多くの人に選ばれているのか、その背景にある社会や世代の意識の変化を想像しながらニュースを追うことで、日々の情報収集が一段と立体的なものになっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








