成都ワールドゲームズ:老舗体育館「城北体育館」が見せるスポーツ遺産の新しいかたち video poster
50年以上前に建てられた中国・成都の体育館が、今も現役の競技会場として「第二の人生」を歩んでいます。成都ワールドゲームズでダンス競技を支える城北体育館は、スポーツ遺産をどう生かすかを考える好例です。
50年以上使われ続ける老舗体育館
中国四川省の都市・成都にある城北体育館は、市内で最初期に造られた本格的なスポーツ施設のひとつです。建設からすでに50年以上が経ちますが、今もなお地域の象徴的な存在として使われ続けています。
若いころにここでプレーした選手が、指導者として再びこの体育館に戻ってくる——。城北体育館は長年にわたり、多くの競技者を育ててきた「人材のゆりかご」としての顔も持っています。
ワールドゲームズのダンス会場として再出発
2025年12月現在、成都ではワールドゲームズが開催されており、その熱気は市内各地に広がっています。城北体育館も、時代に合わせた改修を経て、この国際スポーツイベントのダンス競技会場として新たな役割を担っています。
老朽化した設備は手を入れつつ、歴史ある外観や雰囲気は可能な限り残す。そんな丁寧なリノベーションによって、会場は安全性と機能性を高めながらも、「ここで多くの物語が生まれてきた」という記憶を宿し続けています。
中国のニュースチャンネルであるCGTNは、王濤(Wang Tao)記者によるリポートを通じて、改修後の城北体育館の内部や、ダンス競技の熱気を伝えています。観客席と競技フロアの距離が近く、観る側と演じる側の一体感を生みやすい点も、この会場ならではの魅力です。
スポーツ遺産を生かす成都のアプローチ
大規模なスポーツイベントが終わったあと、競技施設をどう活用し続けるかは、世界中の都市に共通する課題です。新しいスタジアムやアリーナを建てるだけでなく、既存の施設を再生しながら使い続けることは、環境負荷や財政負担を抑えるうえでも重要になっています。
城北体育館の事例からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 歴史ある施設を完全に壊さず、改修を通じて現代の安全基準やニーズに合わせる
- 地域の人びとの記憶や愛着を大切にしながら、国際イベントの会場としても活用する
- トップアスリートだけでなく、市民のスポーツや文化活動の場としても開いていく
半世紀以上使われてきた体育館が、なおも世界的な舞台で活躍している姿は、「古い施設=役割を終えたもの」という固定観念を静かに揺さぶります。
日本のスポーツ施設にも通じる問い
人口減少や財政制約が現実味を帯びるなか、日本各地でも「つくる」から「生かす」への発想転換が求められています。城北体育館のように、長い時間をかけて地域に根づいた施設を、次の世代にどう引き継ぐのか——。
成都の老舗体育館で続いている試みは、日本のスタジアムや体育館の将来を考えるうえでも、静かにヒントを投げかけているように見えます。
Reference(s):
Old venue, new life: Chengdu's sports legacy lives on in iconic ground
cgtn.com








