中国が低軌道インターネット衛星を打ち上げ ロングマーチ8Aで第10陣投入
中国、海南から低軌道衛星群を打ち上げ
中国南部の海南省にある商業宇宙発射場から火曜日、低軌道インターネット衛星の新たなグループが打ち上げられました。ロングマーチ(長征)8Aロケットによる今回のミッションは、2025年に入って3回目となる飛行で、高密度な打ち上げ運用が軌道に乗りつつあることを示しています。
インターネット衛星コンステレーション向け「第10陣」
打ち上げは午前3時8分(現地時間)に実施され、ロングマーチ8Aはインターネット衛星コンステレーション(衛星群)を構成する第10陣の衛星を予定軌道に投入しました。これらの衛星は、地球低軌道を周回しながら地上と通信を行うことで、広域かつ安定したインターネット接続の実現を目指しています。
低軌道衛星は高度が比較的低いため、通信の遅延が少ないのが特徴です。多数の衛星を「星座」のように配置するコンステレーション方式と組み合わせることで、地上のさまざまな地域を継続的にカバーできるとされています。
ロングマーチ8Aロケットの性能
今回のミッションに使用されたロングマーチ8Aは、中国運載ロケット技術研究院が開発したロケットです。中軌道・低軌道における大規模な衛星コンステレーション構築の需要に応えることを目的として設計されています。
公表されている主な仕様は次のとおりです。
- 全長:50.5メートル
- 打ち上げ時重量:371トン
- 打ち上げ能力:高度約700キロメートルの太陽同期軌道に最大約7トンの衛星を投入可能
このクラスの打ち上げ能力を持つロケットは、一度に複数の衛星を運ぶことができるため、衛星コンステレーションの展開スピードを高める上で重要な存在です。
「高密度打ち上げ」が意味するもの
火曜日の打ち上げは、ロングマーチ8Aにとって2025年3回目のミッションと位置づけられています。短い間隔で複数回の打ち上げを行うことができるということは、ロケットの信頼性や運用体制が成熟しつつあることを示します。
高密度な打ち上げ能力が確立されれば、
- 短期間で多数の衛星を軌道に投入できる
- ミッションごとのスケジュール調整の柔軟性が高まる
- 商業利用を含む多様な打ち上げニーズに対応しやすくなる
といった効果が期待されます。今回のミッションは、ロングマーチ8Aが複数の任務を並行して担う体制を実証したものとされています。
中国の宇宙開発と商業利用の広がり
海南省の商業発射場からの打ち上げは、中国における宇宙空間の「商業利用」拡大という流れの一部と見ることができます。国家プロジェクトとしての宇宙開発に加え、通信や観測などビジネス用途を意識した打ち上げが増えることで、宇宙インフラが日常のネットワークや産業活動とより密接に結びついていきます。
低軌道インターネット衛星コンステレーションの整備は、都市部だけでなく、山間部や離島など地上インフラの整備が難しい地域での通信環境の改善にもつながる可能性があります。アジア太平洋地域を含む世界の通信地図が、今後どのように塗り替わっていくのか注目されます。
私たちの生活への影響は
今回の打ち上げによって、すぐに利用者の通信環境が変わるわけではありませんが、衛星インターネット網の整備は着実に進みつつあります。今後、
- 災害時のバックアップ通信
- 海上・航空機での安定したインターネット接続
- モノ同士がネットにつながるIoT(アイオーティー)サービス
など、さまざまな分野で衛星通信の活用が広がることが想定されます。中国の最新ロケットによる今回の低軌道衛星打ち上げは、そうした未来のインターネット基盤づくりに向けた一歩といえそうです。
Reference(s):
cgtn.com








