中国本土の2025年夏興行収入、2024年超え 国産映画が牽引
2025年の中国本土の夏の映画興行収入が2024年を上回り、国産映画を中心に市場が再び活気を取り戻しています。世界第2位とされる映画市場で、何が起きたのでしょうか。
2025年夏の興行収入、2024年を突破
中国のオンライン映画チケットプラットフォーム「猫眼(Maoyan)」のデータによると、2025年の夏の映画シーズン(6月1日〜8月31日)の興行収入は、金曜日の夜の時点で116.4億元(約16.4億ドル)に達し、すでに2024年夏の合計を上回りました。
アナリストらは、週末の上映分を加えると最終的な夏の興行収入は120億元を超えると見込んでいました。シーズン終盤にかけて興行が伸びたことで、中国本土の映画市場は勢いを取り戻し、新たな経済的ポテンシャルが引き出されつつあると受け止められています。
多様なジャンルの5作品がけん引
2025年夏の興行成績をけん引した主な5作品は、次の通りです。
- 「Dead to Rights」:第二次世界大戦期、1937年の南京大虐殺を題材にした作品。
- 「Nobody」:高い評価を得ているアニメーションシリーズ「Yao-Chinese Folktales」のスピンオフ作品。
- 「The Shadow's Edge」:ジャッキー・チェンが主演するクライム・アクション映画。
- 「The Lychee Road」:唐代(618〜907年)を舞台にした、ほろ苦さのあるドラマ作品。
- 「Jurassic World Rebirth」:ユニバーサルが手掛ける「ジュラシック・ワールド」シリーズの一作。
歴史ドラマからアニメーション、アクション、時代劇、世界的シリーズ作品まで、ジャンルも題材も幅広いラインアップとなっています。観客は重厚な歴史ものからエンターテインメント性の高い作品まで、自分の気分に合わせて選べる夏となったと言えそうです。
夏の後半で一気に熱を帯びた市場
猫眼のアナリストである頼莉(Lai Li)氏は新華社に対し、夏の前半は比較的落ち着いた興行だったものの、後半にかけて主要な国産映画の公開が相次いだことで状況が大きく変わり、夏の興行が一気に熱を帯びたと説明しています。
データから読み取れるポイント
- シーズン前半は伸び悩み、後半で巻き返す「後半勝負」の展開になったこと。
- 国産映画が観客の支持を集め、夏全体の興行収入を押し上げたこと。
- 複数の話題作が同時期に公開されることで、映画館への来場意欲が高まり、相乗効果が生まれた可能性があること。
こうした動きは、作品の公開時期をどう設計するかという配給戦略の面でも、今後の参考になっていきそうです。
映画市場が示す「新しい消費」の形
今回の夏興行は、中国本土の観客が引き続き映画館での体験に価値を見いだしていることを示しています。ストリーミングサービスが広がるなかでも、大画面や音響、観客同士が同じ空間を共有する感覚など、映画館ならではの体験に対する需要は根強いと考えられます。
興行収入の拡大は、映画産業そのものにとどまらず、劇場周辺の飲食や小売、移動といった消費にも波及します。夏のヒット作が生み出す人の流れは、都市のナイトライフやサービス産業にとっても重要な要素になりつつあります。
これからの中国本土映画をどう見るか
2025年夏の興行データは、中国本土の映画市場が依然として大きな成長余地と影響力を持っていることを改めて示しました。国産映画が歴史や伝統文化を描きつつ、多様なジャンルで観客を惹きつけている点は、今後の作品づくりにもつながる重要な動きです。
一方で、国際的なシリーズ作品も引き続き強い吸引力を持っており、国産作品と海外作品が並び立つ形で市場を支えている構図も見て取れます。2025年の夏シーズンを振り返ることは、これからの中国本土映画のあり方や、アジア発のエンターテインメントが世界にどう広がっていくのかを考えるきっかけにもなりそうです。
通勤時間やスキマ時間に、こうした興行データや作品の動きを追いかけてみると、ニュースの見え方が少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
China's 2025 summer box office surpasses 2024, led by domestic films
cgtn.com








