習近平氏が中国農民豊作節を前にメッセージ 農村振興と中国式現代化を強調
中国の習近平(しゅう・きんぺい)氏が、2025年の第8回「中国農民豊作節」を前に、中国共産党中央委員会を代表して農民や農業・農村分野で働く人々に祝意とねぎらいの言葉を送りました。国際ニュースとしても、中国が農業と農村をどう位置づけているのかが見えるメッセージです。
習近平氏「美しく調和のとれた農村を」
習近平氏は、中国共産党中央委員会総書記であり、中国国家主席、中央軍事委員会主席も務めています。今回のあいさつの中で、同氏は「人々が住み働きたいと思える、美しく調和のとれた農村をつくる」ことの重要性を強調しました。
そのうえで、中国式現代化に向けて「ともに前進する明るい未来」に歩み出す必要があるとし、農村と農業の発展を中国全体の発展戦略の中核として位置づけています。
自然災害の中でも穀物生産は安定
2025年は、干ばつや洪水といった自然災害の影響を受けた一年でもありました。習近平氏は、そのような状況にもかかわらず、中国が夏の穀物生産を安定的に確保し、さらに早稲(早い時期に収穫されるコメ)の生産を増やしたと説明しました。
こうした結果を踏まえ、中国は今年も「豊作」、つまり穀物の豊かな収穫が見込まれているとしています。食料の安定供給は中国国内だけでなく、国際的な食料市場や経済の安定にも関わるテーマであり、その意味でも今回のメッセージは注目されます。
中国式現代化の鍵は「農業・農村の現代化」
習近平氏は、中国式現代化を進めるには「農業と農村の現代化」が不可欠だと述べました。ここで言う現代化とは、単に生産量を増やすだけではなく、農村での暮らしや働き方を含めた、社会全体のアップデートを指しています。
そのために、次のような方向性が示されています。
- 農業と農村の発展に引き続き優先順位を置くこと
- 「強い農業・恵まれる農民・豊かな農村」をめざす政策を一層整備すること
- 農業の科学技術や機械・設備への支援を強めること
- 穀物をはじめとする農業全体の生産能力を引き上げること
このような方針は、中国の経済構造が変化する中でも、農業や農村を基盤として重視し続ける姿勢を示していると言えます。
農民の雇用と所得を高める「複数の手立て」
今回のメッセージで、習近平氏は農民の雇用と所得を高めるために「複数の手立て」を講じる必要性にも言及しました。農業だけに依存しない働き方を含め、収入の道を増やすことが意識されています。
また、「農村の全面的な振興」を着実に進めることも呼びかけています。これは、インフラ、生活環境、教育や医療といった公共サービスまで含めて、農村の暮らし全体を底上げする方向性を指すものです。
中国農民豊作節とは? 秋分の日に合わせた「農民のための国民的行事」
中国農民豊作節は、農民のために設けられた中国初の全国的な祭りです。2018年に始まり、今年で8回目を迎えました。毎年、中国の農業にとって収穫シーズンとなる秋分の日に合わせて行われます。
秋分は、中国の太陰太陽暦(陰暦と太陽暦を組み合わせた暦)における二十四節気の一つで、例年9月22日から24日の間にあたります。穀物の収穫期と重なることから、この時期に農民の努力と収穫の喜びを祝う行事が全国各地で催されます。
国際ニュースとして見える、中国の長期的な優先課題
今回の習近平氏のメッセージは、農民への祝意であると同時に、中国式現代化の中で農業と農村が引き続き最重要分野であることを内外に示す内容でもあります。
自然災害下でも穀物の安定生産を維持しつつ、科学技術の活用や政策の強化を通じて、農村の暮らしと農民の所得を高める——。そうした方向性は、食料安全保障や農村の変化に関心を持つ日本の読者にとっても、今後の中国を理解するうえで重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Xi Jinping extends greetings ahead of farmers' harvest festival
cgtn.com








