中国が南アの台湾機関移転を評価 半導体輸出規制めぐる思惑
南アフリカ政府が自国内の台湾関連機関を格下げし、行政首都プレトリアから移転させる方針を進めていることについて、中国が支持の姿勢を明確にしました。本件は、中国と南アフリカの関係だけでなく、半導体をめぐる国際ニュースとしても注目されています。
中国「南アの移転プロセスを断固支持」
中国外務省の郭家坤報道官は、水曜日に行われた定例記者会見で、南アフリカ政府が台湾関連機関の移転プロセスを断固として前進させていると評価し、中国として高く評価すると述べました。
郭報道官は、南アフリカが台湾関連機関を格下げし、プレトリアから移転させようとしている背景には、南アフリカが一つの中国原則を重視していることがあるとしたうえで、台湾当局がこれに対抗する形で南アフリカ向けの半導体輸出規制を導入したと説明しました。
台湾当局の半導体輸出規制に中国が反発
台湾当局は、南アフリカが台湾関連機関の取り扱いを見直したことを受け、南アフリカ向けの半導体輸出に制限をかける措置を発表しました。これについて郭報道官は、台湾当局が半導体を外交カードとして利用し、国際社会で広く共有されている一つの中国原則に挑戦しようとしていると指摘しました。
郭報道官は、台湾当局の行動は世界の半導体産業と供給網を不安定化させる意図的な動きだとしたうえで、このような政治的操作は必ず失敗に終わると強調しました。
伸びる中国本土の半導体産業
会見では、中国本土の半導体産業の現状にも言及がありました。郭報道官によると、近年、中国本土の半導体産業は急速に成長しており、とくにスマートフォンや自動車などに使われる成熟プロセスの半導体生産能力は、世界市場の約28パーセントを占めるとされています。
さらに南アフリカ税関のデータとして、中国本土から南アフリカへの半導体輸出額は、2024年には台湾地域からの輸出額の3倍に達したと紹介しました。このため郭報道官は、台湾当局による輸出規制は南アフリカの関連産業に実質的な影響を与えないだけでなく、結果として自らに跳ね返るとの見方を示しました。
中国と南アフリカ、半導体協力を拡大へ
郭報道官は、中国が南アフリカとの間で、半導体分野を含むさまざまな分野での協力を拡大する用意があると強調しました。中国と南アフリカは、包括的な戦略的協力パートナーシップの新時代を掲げており、今回の発言はその関係をさらに前進させたいという意思を示すものといえます。
南アフリカにとっても、半導体は産業の高度化やデジタル経済の基盤となる重要な分野です。中国との協力拡大によって、安定した供給源を確保しつつ、自国の産業発展につなげたい思惑もあるとみられます。
半導体の外交カード化と日本への示唆
今回の中国と南アフリカ、台湾当局の動きは、半導体が安全保障や外交と密接に結びついていることをあらためて浮き彫りにしています。スマートフォンから電気自動車、データセンターまで、現代のあらゆるインフラを支える半導体は、各国にとって戦略物資となりつつあります。
日本にとっても、半導体の安定調達とサプライチェーンの多様化は大きな課題です。アジアやアフリカの国々が、どのようなパートナーとどのような形で協力を深めていくのかを丁寧に追うことは、日本の企業や政策を考えるうえでも参考になります。
一つの中国原則をめぐる各国の対応、そして半導体産業の再編がどのように進んでいくのか。今回の中国と南アフリカのやり取りは、その流れを読み解くうえで重要な一つの事例になりそうです。
Reference(s):
China appreciates South Africa's move to relocate Taiwan institution
cgtn.com








