中国首相がEUに協力強化を呼びかけ 外交関係50年の節目で
中国の李強(り・きょう)首相は、ニューヨークで欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長と会談し、中国と欧州連合(EU)の二国間協力を「具体的な行動」で一段と深めていくよう呼びかけました。今年は中国とEUの外交関係樹立50周年にあたり、この国際ニュースは今後の欧州情勢と世界経済を考えるうえで重要な動きとなります。
外交関係50年、「原点」に立ち返る呼びかけ
李首相は、中国とEUが外交関係を結んでから50年の節目を迎えたことに触れました。今年7月には北京で、習近平国家主席がフォンデアライエン委員長と欧州理事会議長のアントニオ・コスタ氏と会談し、中国EU関係の今後に向けた「戦略的な方向性」と重要な合意が示されたと説明しました。
さらに李首相は、自身がコスタ氏、フォンデアライエン委員長とともに共同議長を務めた第25回中国EU首脳会議について、「前向きな成果が得られた」と評価。そのうえで、双方がこれまでに得た合意を着実に実行し、外交関係樹立当初の「原点」を忘れずに連帯と調整を強めるべきだと強調しました。
相互信頼と「共通利益」の最大化を強調
過去50年を振り返り、李首相は、中国EU関係が国際環境の変化の中でも全体として安定して発展してきたと指摘しました。その理由として、両者が常に意思疎通を保ち、理解と信頼に基づいて違いの解決策を積極的に探ってきた点を挙げました。
今後については、次のような方向性を示しました。
- 相互信頼を高め、誠実に向き合うこと
- 合意した約束を守ること
- 「相違は棚上げしつつ共通点を追求する」という原則を堅持すること
そのうえで、中国とEUが「可能な限り広い共通の利益」を見いだし、二国間協力を着実に深めることで、双方の人々により大きな利益をもたらすべきだと述べました。
経済面では、EUが掲げてきた貿易・投資市場の開放という約束を守り、公平な競争と世界貿易機関(WTO)のルールを重視するよう求めました。経済・通商問題の政治化や、安全保障の概念を過度に拡大することは避けるべきだとも呼びかけています。
不透明な国際情勢の中で求められる役割
李首相は、現在の国際情勢について「新たで複雑な変化」が起きており、不安定要因や不確実性が高まっていると指摘しました。そのうえで、中国とEUは世界の「二つの大きな力」として、次のような役割を果たす責任があると述べました。
- 戦略的自立性を堅持すること
- 公平と正義を重んじること
- 国際社会でより建設的な役割を果たすこと
こうした姿勢を通じて、中国とEU、さらには国際社会全体の共通利益を守り、世界の安定と予見可能性に貢献したいという考えを示しました。
EU側は対話継続と気候変動対策の連携を重視
これに対しフォンデアライエン委員長は、中国とEUという「世界の二つの主要経済圏」が対話を強化し、相互理解と信頼を深めることは、双方だけでなく世界の発展にとっても大きな意味を持つと述べました。
EU側は、今年の中国EU首脳会議で達成された合意を積極的に実行し、対話と協議を通じて意見の相違を解決していく姿勢を示しました。具体的な協力分野として、次のようなテーマが挙げられています。
- 貿易と投資
- 環境保護
- 開発援助
フォンデアライエン委員長はまた、気候変動への対応で中国が果たしている模範的な役割を高く評価し、この分野での協力を一段と深めたいと述べました。中国とEUがそれぞれの「グリーン転換」(脱炭素化やエネルギー構造の転換)を進めつつ、世界の持続可能な発展を共に推進することに意欲を示しています。
日本の読者にとっての意味
中国とEUの関係は、世界経済や気候変動対策の行方を左右する大きな軸の一つです。両者の協力が安定して進めば、エネルギー・環境技術、デジタル分野、サプライチェーンなどを通じて、日本にも間接的な影響が及びます。
今回の会談では、「対立より対話」「分断より共通利益」を重視するメッセージが繰り返し示されました。国際ニュースを日本語で追う私たちにとっても、どのように違いを抱えた相手と付き合い、共通の課題に向き合っていくのかを考えるヒントになる出来事と言えそうです。
Reference(s):
Chinese premier urges action to advance bilateral cooperation with EU
cgtn.com








