中国の水利インフラが世界最大規模に 第14次5カ年計画で何が進んだのか
中国が第14次5カ年計画期間中に水利インフラでどこまで進んでいるのか。9万5,000カ所の貯水池からスマートダムまで、最新の数字と狙いを整理します。
第14次5カ年計画で加速する世界最大級の水利網
中国水利部は記者会見で、第14次5カ年計画(2021〜2025年)の期間に、水利インフラ整備が大きく前進したと説明しました。中国はすでに、世界で最も規模が大きく、体系的で、最も多くの人々をカバーする水利インフラシステムを築いたとしています。
李国英水利相によると、2024年末時点で、中国では9万5,000基の貯水池、200件の大規模・中規模の送水事業、6,924カ所の大・中規模灌漑地区、延長31万8,000キロの堤防が整備されています。国土全体をつなぐ水のネットワークづくりが、計画に沿って進んでいる形です。
2025年末に向けて水ネットワークのカバー率80%超へ
こうした水利事業によって、2025年末には全国の水ネットワークのカバー率が80.3%に達する見通しだといいます。農地灌漑面積は10億9,000ムー(約7,300万ヘクタール)に拡大し、農村部の水道普及率も96%に到達すると見込まれています。
李氏は、これらの進展が、国家戦略の推進、穀物生産の安定と収穫の確保、そして都市と農村の生活水準向上にとって重要な役割を果たしていると強調しました。水インフラは、食料安全保障と生活インフラの土台として位置づけられています。
3年連続で過去最高 水利投資と大型プロジェクト
水利部によれば、水利分野への投資額は2022年に初めて年間1兆元を突破して以降、3年連続で過去最高を更新しています。2024年の水利建設投資額は1兆3,500億元(約1,900億ドル)に達し、2021〜2025年の累計投資額は5兆4,000億元を超える見通しです。これは、第13次5カ年計画期の1.6倍にあたります。
2021年以降だけでも、172件の大型水利プロジェクトが着工しました。これにより、水利インフラの配置や構造、機能、そしてシステムとしての一体性を高めるねらいがあります。
スマートダムとデジタル化で安全性を強化
計画部門トップの張祥偉氏は、ダムのインテリジェント化、いわゆるスマートダムの取り組みを強調しました。中国では現在、12件のスマートダムのパイロット事業が進められており、近代的な貯水池管理システムの構築が加速しています。
2021年以降、水利部は全国の貯水池運用・管理のための統合プラットフォームを完成させました。6万2,000カ所超の貯水池に雨量や水位などの観測機器が設置され、5万5,000カ所以上のダムには安全監視装置が導入されています。これにより、ダムの安全リスクを早期に察知し、予測する能力が大きく向上したとしています。
なぜ日本の読者にも関係があるのか
水インフラは、穀物生産や生活の安心と直結する基盤です。中国のように大規模な整備が進むと、食料供給や経済活動を通じて、周辺国や国際市場にも影響しうるため、日本にとっても無関係ではありません。
第14次5カ年計画が終盤に入るなか、これらの投資とデジタル化がどこまで定着し、今後どのような形で地域や世界の議論に影響していくのか。アジアの国際ニュースとして、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China highlights water infrastructure achievements during 14th FYP
cgtn.com








