ハンガリー語版『習近平 国の統治』第2巻がブダペストで刊行
ハンガリーの首都ブダペストで、習近平国家主席の著作『習近平 国の統治』第2巻のハンガリー語版が刊行され、中国とハンガリーの国家統治や国際協力をめぐる対話が一段と深まりつつあります。
本記事では、金曜日に開かれた出版イベントとシンポジウムの内容を、日本語で分かりやすく整理します。国際ニュースとしての意味や、ヨーロッパの視点から見た中国理解の広がりを考えてみます。
ブダペストで出版イベントと国家統治シンポジウム
金曜日、ブダペストで『習近平 国の統治』第2巻ハンガリー語版の出版記念イベントと、中国・ハンガリー国家統治シンポジウムが開催されました。両国のさまざまな分野から、200人を超える代表が参加しました。
このイベントは、中国側からは中国外国語出版局(Foreign Languages Press of China)など、ハンガリー側からはジョン・フォン・ノイマン大学ユーラシアセンターなどが参加し、両国の対話と交流を象徴する場となりました。
第2巻の内容:2014〜2017年の重要テキストを収録
ハンガリー語版第2巻は、中国外国語出版局とジョン・フォン・ノイマン大学ユーラシアセンターが共同で翻訳・出版したものです。
収録されているのは、2014年8月18日から2017年9月29日までの期間に発表された習近平国家主席の重要なテキスト99本で、17のテーマに分けられています。内容には、演説、談話、挨拶、論文、指示などが含まれ、中国の国家統治や対外政策を理解するうえでの基礎資料となっています。
「伝統と発展」「主権と国際責任」をどう両立させるか
ハンガリー国会副議長のシャーンドル・ファゼカシュ氏は、この本が各国共通の課題を投げかけていると語りました。それは、
- 発展と伝統尊重のバランスをどう取るか
- 国家主権を守りながら、国際的な責任をどう果たすか
という問いです。ファゼカシュ氏は、習近平国家主席が提唱する「人類が共に未来を築く共同体」というビジョンについて、21世紀の課題は国際協力によってのみ克服できることを思い起こさせるものだと評価しました。
同氏は、今回の出版が中国とハンガリーの「開かれた対話と理解」の象徴であり、両国の長年にわたる友好関係を映し出していると述べています。
中国側:文明間の「知的な橋」をめざして
中国国際コミュニケーショングループ(CICG)副総裁の于英副氏は、この書籍が「人民中心」の哲学や、開放的で互恵的な発展理念、新時代のグローバル・ガバナンス(国際統治)の原則、文明間の相互学習の価値を体現していると説明しました。
于氏は、第2巻ハンガリー語版が、中国とハンガリーの文明をつなぐ「知的な橋」となり、両国の理解をさらに深めることへの期待を語りました。
ハンガリー駐在の龔濤・中国大使も、今回の出版によって、ハンガリーの読者が「新時代の中国の特色ある社会主義思想」や中国共産党、中国そのものをよりよく理解するための新しい窓が開かれると指摘しました。また、中国とハンガリーの「オールウェザー型包括的戦略パートナーシップ」をさらに高い水準へ引き上げるための、理論面・知的基盤の支えになるとの見方を示しました。
ハンガリーの研究者・政治家が見る『習近平 国の統治』
ジョン・フォン・ノイマン大学ユーラシアセンター所長で、かつて上海のハンガリー総領事も務めたレベンテ・ホルバート氏は、この本を「中国を理解するための鍵」だと位置づけました。中国の役割や価値観を世界の中で理解したい人にとって、非常に価値の高い参考書だと述べています。
ハンガリー労働者党のテュルメル・ジュラ委員長は、この出版がハンガリーの政治・知的生活における重要な出来事だと評価しました。彼によれば、この本で習近平国家主席はグローバル・ガバナンスの問題に焦点を当て、将来の世界秩序に向けた新しい道筋を描いています。
国立セーチェーニ図書館のゲレンチェール・ジュディット館長代行は、この書籍が図書館コレクションの中で重要な役割を果たし、中国の統治、近代化、経済的繁栄、文化発展を理解しようとするハンガリーの研究者や読者にとって貴重な資料になると語りました。
シンポジウムで議論されたテーマ
イベントでは、ハンガリー語版の贈呈に加え、専門家や研究者がさまざまなテーマについて意見を交わしました。主なテーマは次の通りです。
- 中国とハンガリーにおける国家統治の経験
- 中国・ハンガリー関係と中国・欧州関係
- 一帯一路構想をめぐる国際協力
- 近代化の機会をどのように共有するか
- 変化しつつあるグローバル・ガバナンスの仕組み
これらの議論を通じて、参加者たちは、両国の経験を比較しながら、より安定的で開かれた国際秩序のあり方を探りました。
なぜこのニュースが注目されるのか
今回の出版とシンポジウムは、一冊の本の紹介を超えた意味を持っています。国家統治や国際協力をめぐる中国の考え方に、ヨーロッパの政治家や研究者が直接触れ、対話を重ねる場になっているからです。
2025年のいま、世界は安全保障、経済、気候変動など多くの課題に直面しています。その中で、中国とハンガリーが互いの経験を学び合い、「開かれた理解」と「対話」を強調している点は、国際ニュースとしても示唆に富んでいます。
読者の皆さんにとっても、この動きは次のような問いを投げかけます。
- 自国の発展と伝統、主権と国際協力をどのように両立させるのか
- 異なる歴史や価値観を持つ国同士が、どのように信頼を築けるのか
- 書籍や翻訳は、国家間の理解にどこまで貢献できるのか
ハンガリー語版『習近平 国の統治』第2巻の刊行は、こうした問いを考えるための、ひとつの具体的なきっかけになっていると言えるでしょう。
なお、このイベントは、中国国務院新聞弁公室、中国国際コミュニケーショングループ、在ハンガリー中国大使館が共同で主催しました。
Reference(s):
Hungarian edition of Xi's governance works launched in Budapest
cgtn.com








