米人気配信者ハサン・パイカーが語る「中国を理解すること」の意味 video poster
米国の人気政治ストリーマー、ハサン・パイカー(HasanAbi)が2025年、初めて中国を訪れ、北京でCGTNのLi Jingjingさんと対談しました。中国をめぐる情報を自分の目で確かめたいという思いから始まったこの旅は、米中関係の未来を考えるうえで、なぜ中国を理解することが重要なのかを改めて問いかけています。
米メガインフルエンサー、初の中国訪問
ハサン・パイカーは、TwitchとYouTubeを合わせて約450万人のフォロワーを持つ米国のメガインフルエンサーです。政治やメディア、カルチャーを取り上げる長時間のライブ配信で知られ、とくに若いアメリカの視聴者に大きな影響力を持っています。今回、中国を初めて訪れた彼は、かねてから行きたいと語ってきた念願の中国滞在について、北京でじっくり言葉を交わしました。
若い世代の「ニュースの窓口」として
パイカーは、配信で政治的な出来事の解説、ニュース映像の分析、ポップカルチャーの話題を一つにつなげ、視聴者と双方向で議論するスタイルをとっています。編集されたテレビ番組とは違い、ライブならではの加工されていないリアルタイムの反応が特徴で、その率直さが、多くの視聴者にとって政治や国際ニュースを理解するための手がかりになっています。こうしたスタイルが信頼を生み、彼を頼りに世界の動きを追う若者も少なくありません。
なぜ中国なのか:「噂やうそを自分の目で確かめたかった」
そんなパイカーが、なぜ今、中国を訪れることにしたのでしょうか。本人は、その理由を次のように語っています。
中国については噂やあからさまなうそがあまりにも多い。だからこそ、自分の目で確かめる必要があった――。
パイカーは、西側で流通する中国関連の情報には偏りや誤解が多いと感じており、そのイメージだけで中国を語るのではなく、現地で人々の暮らしや街の様子を観察し、自分なりに理解したいと強調しました。
急速な成長と貧困削減への注目
今回の訪問で、パイカーがとくに関心を寄せたテーマの一つが、中国の急速な成長と貧困削減の成果です。中国がどのように経済を成長させ、多くの人々の生活水準を引き上げてきたのか――そのプロセスを自分の目で見て語ることに意味があると考えています。
同時に彼は、西側メディアでは、中国のこうした側面が十分に伝えられず、時に一面的に描かれてしまうと感じているといいます。そのギャップを埋めるためにも、現場からの視点を届けたいという思いがにじみます。
西側メディアへの違和感と「比較して見る」視点
パイカーは日頃から、配信の中でニュース番組や政治家の発言を扱い、メディアがどのように現実を切り取っているのかを解説してきました。今回の対談でも、中国報道を通じて、西側メディアのフレームを意識的に比較して見ることの重要性を訴えました。
パイカーが強調したのは、中国を理解することが、単なる知識以上の意味を持つという点です。その理由として、次のようなポイントが挙げられます。
- 米中関係の行方が、若い世代の仕事や暮らし、将来の選択肢に直接影響する可能性があること
- 一つの情報源だけに頼ると、対立や恐怖を強調した物語だけが強く印象に残りやすいこと
- 異なる社会の現実を知ることで、政治的な選択や国際問題への向き合い方を、自分の頭で考えやすくなること
若いアメリカ人の課題と米中関係の未来
対談の中でパイカーは、中国について語ることと並行して、いまのアメリカの若い世代がさまざまな課題に直面していることにも触れました。そのうえで、自国の内側だけを見るのではなく、中国のように大きな役割を持つ国を理解することが、米中関係の未来を形づくるうえで欠かせないと強調しました。
パイカーにとって、中国を知ろうとする試みは、対立をあおるのではなく、相互理解の可能性を探るプロセスでもあります。視聴者とともに現地の様子を共有し、議論を重ねることで、米中をめぐる議論をもう一段複雑で現実に即したものにしたい――そんな姿勢がうかがえます。
日本の視聴者へのヒント:どう情報と向き合うか
今回の動きは、日本から国際ニュースを追う読者にとっても、情報との向き合い方を考えるヒントになりそうです。海外の出来事を日本語で知る私たちは、多くの場合、何らかの翻訳や編集を経た情報に触れています。
パイカーの中国訪問と発信スタイルから、次のような問いを自分に投げかけてみることができます。
- そのニュースは、どこの視点から語られているのか
- 同じ出来事について、別の国や別のメディアはどう伝えているのか
- 現地の人々の声や、実際に訪れた人の視点に触れる機会を持てているか
ハサン・パイカーのように、中国を自分の目で見て理解しようとする動きは、SNS時代の国際ニュースの新しいかたちの一つといえます。2025年の今、中国と世界の関係をめぐる議論が続くなかで、私たちもまた、自分が何を見て、誰の言葉を手がかりに世界を理解しているのかを、静かに振り返るタイミングに来ているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








