中国初の海上ロケット回収プラットフォーム誕生 再使用ロケット競争が加速
中国で、再使用ロケットの回収に使う海上プラットフォームが初めて引き渡されました。ロケットを海上で回収する専用インフラが整い始めたことで、中国の再使用ロケット開発は新たな段階に入りつつあります。
中国初の海上ロケット回収プラットフォーム「Linghangzhe」
日曜日、中国初の海上ロケット回収用プラットフォーム「Linghangzhe(Pathfinder)」が正式に引き渡されました。このプラットフォームはネット式の回収システムを備え、海上でロケットを受け止めて回収することを想定しています。
Linghangzheは、China Classification Societyの認証を取得しており、必要なクラス認証と法的認証を満たした国内初の海上ロケット回収プラットフォームとなりました。これにより、安全性や信頼性の面で、実運用に向けた重要な一歩を踏み出したといえます。
なぜ海上でロケットを回収するのか
今回の海上プラットフォームは、中国の再使用ロケット打ち上げにとって「インフラ」と位置づけられています。ロケットの第一段などを海上で回収できれば、打ち上げ場から離れた位置でも柔軟に回収でき、再使用に向けた整備や検証を効率的に行うことができます。
再使用ロケットとは、一度使ったロケットの一部を回収し、点検や整備を経て再び飛ばすことを前提としたロケットです。使い捨てが前提だった従来型に比べ、打ち上げコストの低減や資源の有効活用につながると期待されています。
i-Spaceの着陸船「Xingjiguihang」との連携
Linghangzheの引き渡しに先立つ今年8月、中国の民間ロケット企業i-Spaceは、着陸船「Xingjiguihang(Stellar Return)」を就航させました。
Xingjiguihangは、40〜60メートル規模の回収デッキを備え、i-Spaceが開発する再使用型の液体酸素・メタン燃料ロケット「SQX-3」の第一段を回収することを目的としています。企業によると、この船は再使用ロケットの着陸と回収を前提に設計されています。
新世代の有人ロケット「Long March-10」の試験も前進
同じ8月には、中国の新世代有人打ち上げロケット「Long March-10」が、初の静的燃焼試験を完了しました。静的燃焼試験とは、ロケットを打ち上げずに地上でエンジンを点火し、性能や安全性を確認するための試験です。
Long March-10には、Long March-10とLong March-10Aという2種類の構成が用意されており、このうちLong March-10Aは再使用可能な2段式ロケットとして設計されています。有人飛行を見据えたロケットが再使用型として計画されている点も、大きな特徴といえます。
LandSpaceの「Zhuque-3」もテスト段階に
中国のロケットメーカー各社は、再使用ロケットの開発をめぐり競争を強めています。
今年6月には、別の民間企業LandSpaceが、再使用ロケット「Zhuque-3」の第一段推進システムについて、地上での点火試験(グラウンド・イグニッション・テスト)を成功させました。
これまでに、複数の中国のロケット企業が、垂直離着陸試験といった再使用に不可欠な基礎テストを相次いで成功させており、技術の積み上げが進んでいます。
2025年12月時点で見える中国の再使用ロケット像
2025年12月時点で見ると、海上回収プラットフォーム「Linghangzhe」、着陸船「Xingjiguihang」、新世代有人ロケット「Long March-10」、民間企業による「SQX-3」や「Zhuque-3」など、複数のプロジェクトが同時並行で動いていることが分かります。
海上でのロケット回収という新しいインフラが整い始めたことで、今後は次のような点が注目されます。
- Linghangzheが実際の再使用ロケットの回収にいつ、どのような形で投入されるか
- i-SpaceやLandSpaceなどの民間企業が、試験段階から実運用段階へどのペースで移行していくか
- Long March-10Aなど再使用型ロケットが、有人飛行や大規模ミッションにどのように活用されるか
海上回収プラットフォームの整備は、そのまま打ち上げ回数の増加やコストの低減、さらには宇宙アクセスの拡大につながる可能性があります。今後、中国発の再使用ロケットが、国際的な宇宙ビジネスや技術トレンドの中でどのような位置を占めていくのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
China's first sea-based rocket net recovery platform delivered
cgtn.com








