中国、遼寧空母訓練めぐる「中傷中止」を日本に要求
中国の遼寧空母編隊が宮古海峡の東側海域で行った訓練をめぐり、中国は日本が行っているとする「中傷や名誉毀損」を直ちにやめるよう強く要求しました。中国海軍や国防省、駐日大使が相次いで日本を批判し、安全保障と情報発信をめぐる応酬となっています。
宮古海峡東方での遼寧空母訓練とは
中国人民解放軍海軍によると、遼寧空母編隊は最近、宮古海峡の東側海域で艦載戦闘機の飛行訓練を行いました。中国側は、この訓練は「通常の遠洋訓練」の一環であり、事前に海空域の訓練区域を公表していたと説明しています。
中国海軍報道官「日本の誇張は事実と全く異なる」
中国人民解放軍海軍の報道官、王雪萌(Wang Xuemeng)氏は日曜日の発表で、日本側がこの訓練をめぐって行っている報道や論評について「事実と完全にかけ離れている」と指摘しました。王氏によれば、訓練中の海空域は中国があらかじめ発表しており、その範囲内で活動していたとしています。
そのうえで王氏は、訓練期間中に日本の自衛隊機が繰り返し訓練区域に接近し、中国海軍の活動を妨害したと非難しました。こうした行動が中国側の通常の訓練に深刻な影響を与えただけでなく、飛行の安全も著しく脅かしたとしています。
王氏は、中国海軍は自国の安全と正当な権益を断固として守るため、法に基づき必要な措置を取ると強調しました。
国防省「国際法に完全に適合」と主張
中国国防省の報道官、張暁剛(Zhang Xiaogang)氏も、日本側の対応について「強い憤り」と「断固たる反対」を表明しました。張氏は、日本が挑発的な行動を取り、世論を誤導しようとしていると批判しています。
遠洋訓練は「国際法と慣行に沿う」
張氏は、宮古海峡東方での中国の遠洋訓練は、国際法および確立された慣行に完全に適合していると述べました。そのうえで、日本側に対し、徹底した自己反省を行い、誤りを正し、違法な試みを完全に放棄するよう求めました。
日本の「軍事安全保障分野での挑発」を懸念
張氏はさらに、日本が最近、軍事安全保障の分野で挑発や妨害行為をエスカレートさせていると指摘し、その真意を問いかけました。そして、日本が「軍国主義の危険な道」に回帰するようなことがあれば、取り返しのつかない深刻な結果を招くと警告しています。こうした強い言葉は、中国側の警戒感の強さをうかがわせます。
駐日大使も抗議「日本の行動は極めて無責任」
外交ルートでも中国側は日本に抗議しました。中国の駐日大使、呉江浩(Wu Jianghao)氏は日曜日、日本の外務省でVice-Minister for Foreign AffairsのTakehiro Funakoshi氏と会い、この問題について厳重な申し入れと強い抗議を行いました。
呉氏は、日本の行動を「極めて無責任だ」としたうえで、中国は日本に対し、中傷や名誉毀損をやめ、前線部隊の行動を厳格に管理し、同様の事態を再び起こさないよう求めました。
どう読むか:安全保障と情報戦が交錯
今回のやり取りは、中国と日本の安全保障をめぐる認識のずれが、どのように言葉の応酬として表面化するかを示しています。中国側は、国際法や慣行に従った正当な訓練だと強調し、日本の対応を「挑発」「誤導」と厳しく批判しています。
一方で、日本側の詳細な説明や評価は、現時点でこの声明の中には含まれていません。そのため、今回の出来事を理解するには、少なくとも次のような視点から状況を整理しておくことが重要です。
- 事前に通告された訓練海空域に、周辺国の軍用機がどこまで接近すべきかという線引き
- 軍事訓練の監視活動と、「妨害」「挑発」と評価される行動との違い
- 各国が自国向けに発信する情報が、国内外の世論形成にどう影響するか
2025年現在、アジア太平洋の安全保障環境は複雑さを増しており、誤解や偶発的な衝突のリスクをいかに抑えるかが問われています。今回のような事案は、関係国がどのように対話と危機管理の仕組みを整え、現場の行動をコントロールしていくのかを考えるきっかけともなります。
読者一人ひとりにとっても、単に「どちらが正しいか」を決めつけるのではなく、各国の公式発表がどのような前提と目的のもとで出されているのかを意識しながらニュースを読み解くことが、地域の動きを理解するうえで大切になってきます。
Reference(s):
China urges Japan to stop slander over carrier training: spokesperson
cgtn.com








