UN80イニシアチブ、途上国の声をどう反映? 国連で中国代表が懸念を提起
国連創設80周年に向けた「UN80イニシアチブ」をめぐり、中国の傅聡・国連常駐代表は、加盟国の3分の2を占める途上国の懸念を真正面から扱うべきだと訴えました。今後の国連改革の方向性を左右しかねない発言です。
国連総会ブリーフィングで途上国の懸念を提起
今週木曜日に開かれた国連総会のブリーフィングで、中国の国連常駐代表である傅聡(フー・ツォン)氏が声明を読み上げました。声明は、新たに立ち上がった「グローバル・ガバナンス友好国グループ」を代表して発表されたものです。
声明は、UN80イニシアチブが取り組むべき課題として、とくに途上国の懸念に応えることの重要性を強調しました。国連加盟国の約3分の2が途上国であることから、その声を反映させることが不可欠だとしています。
「UN80イニシアチブ」とは
UN80イニシアチブは、国連創設80周年を機に立ち上げられた包括的な改革の取り組みです。世界が「新たな動揺と変革の時期」にある今、国連の役割と機能を見直し、グローバルガバナンス(地球規模の統治)の在り方を更新することを目指しています。
声明によると、その目的は次のような加盟国の期待を反映したものであるべきだとされています。
- 多国間主義(マルチラテラリズム)の擁護
- 国連の強化
- 国際法の原則の尊重と強化
- グローバルガバナンスの改善
焦点は「効果」「途上国」「包摂性」の3点
グローバル・ガバナンス友好国グループは、UN80イニシアチブがとくに重視すべき論点として、次の3点を挙げました。
- 国連の仕事の実効性と効率性を高めること
- 途上国の関心とニーズにしっかり応えること
- 議論と交渉のプロセスを透明かつ包摂的に保つこと
声明は、今日の課題によりよく対応するには、国連が「適応、活性化、そして強化」を必要としていると指摘します。具体的には、業務の重複を減らし、組織間の「二重行政」を解消することで効率を高めるとともに、機敏さや即応性、レジリエンス(回復力)を強化し、「よりよく成果を届ける」必要があると述べています。
遅れるSDGsと開発の最優先課題
声明はまた、持続可能な開発目標(SDGs)の3分の2が遅れをとっていると警鐘を鳴らしました。そのうえで、途上国にとって開発こそが最優先課題であり、国連改革でも「開発の柱」の見直しに際して、途上国が直面する膨大なニーズと課題を十分に考慮すべきだと訴えています。
そのために、各種のメカニズムや資源配分は、能力構築(キャパシティ・ビルディング)を含め、2030アジェンダの実現を強力に後押しする方向で設計されるべきだとしています。また、地域バランスの取れた代表性を重視し、途上国の代表権と発言力を高める必要性も強調されました。
「政府間組織」としての国連の原点
声明はさらに、国連があくまで「政府間組織」であることを改めて確認しました。UN80イニシアチブの議論を含め、すべての作業の流れにおいて、加盟国が対等な立場で中心的な役割を果たすべきだと強調しています。
新たに設立された「グローバル・ガバナンス友好国グループ」
グローバル・ガバナンス友好国グループは、今週火曜日にニューヨークの国連本部で正式に設立されました。グループは今回の声明の中で、UN80イニシアチブを「より公正で衡平なグローバルガバナンス体制」を後押しする方向へと進め、国連を長期的に強化し、すべての加盟国の共通の利益に資するよう、各国と協力していく姿勢を示しました。
UN80イニシアチブの具体的な中身や合意形成には、今後時間をかけた議論が続くとみられます。そのプロセスのなかで、途上国の現実と声をどこまで反映できるのか――今回の声明は、その一点を国際社会に改めて問いかけるものになっています。
Reference(s):
UN80 Initiative urged to address concerns of developing countries
cgtn.com








