海南国際映画祭のAI映画16作品が配信へ iQIYI「AI Theater」で公開
2025年に閉幕した海南国際映画祭の「AI Film Season」で受賞した作品のうち、計16作品がストリーミングサービスiQIYIの「AI Theater」でオンライン視聴できるようになりました。会場に行けなかった人でも、受賞作の“いま”を追いかけられる動きとして注目されています。
受賞作は配信に加え、特設サイトでも順次公開へ
今回オンラインで公開された16作品に加え、受賞タイトルは今後、ウェブサイト「zaodian.quark.cn」でも順次紹介・公開される予定です。さらに、海南省三亜(Sanya)では5日間のオンサイト展示も行われ、オンラインと現地の両輪で発表の場が広がっています。
「AIで作る映画」が“イベント規模”になってきた背景
オンサイト展示は、Today Art Museumが立ち上げに関わった人工知能アート革新連盟(AIAIA)が主催しました。展示では、世界56の国・地域から寄せられた2,500超の応募の中から、AIを活用した映画100作品が選出されています。
会場には1,500人以上が来場したとされ、AIが映像制作の一分野にとどまらず、「作品を観る場」「議論する場」ごとイベントを成立させる存在になりつつあることがうかがえます。
技術だけで終わらない——「テクノロジー×人文」の議論が中心に
この取り組みは、AIの“新しさ”を披露するだけでなく、映画制作におけるテクノロジーと人文学(人間の感情・倫理・物語理解など)の関係をどう捉えるか、という議論も深めたといいます。
AIが得意とされる生成(画像や音、構図の提案など)が進むほど、作品の核となる「なぜその物語を語るのか」「誰の視点で描くのか」がより問われる——。今回のイベントは、そうした問いが前景化する場にもなったようです。
マスタークラスで掘り下げた3要素:物語・映像・音楽
会期中には、選出されたAI映画を題材にしたマスタークラス(講座)が3回行われ、主に次の観点から議論が進められました。
- ナラティブ(物語):短い尺の中で何を残すか、AIをどう“脚本の相棒”にするか
- ビジュアル(映像表現):生成映像の質感、偶然性、統一感の設計
- ミュージック(音):感情の輪郭をどう作るか、映像と音の整合をどう取るか
紹介例としては「The Three Gardens Game」「The Greedy Nightmare」「A Dog, a Son」「Chit」などが挙げられ、AIが映像体験を押し上げ得る可能性を示す作品として取り上げられました。
オンライン公開が映す“次の当たり前”
映画祭の作品が、会場上映だけでなく、ストリーミングの専用枠(AI Theater)や特設サイトへ展開される流れは、AI映画が「一部の実験作」から「観客が見つけ、語り、共有するコンテンツ」へ移っていることを示します。
AIは制作手段であると同時に、作品の鑑賞環境や流通の設計まで変え始めています。2025年末にかけて、同様の“オンライン常設化”がどこまで広がるのか、静かに注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








