中国本土の外交部は2025年12月15日、フィリピンに対し、海上での「侵害、挑発、誹謗中傷」を直ちにやめるよう求めました。南シナ海(南海)をめぐる緊張が続くなか、現場での接触事案に加え、米国の発言も絡んで応酬が強まっています。
外交部会見での主張:西安賓礁周辺での「挑発」
外交部報道官の郭嘉昆(Guo Jiakun)氏は定例記者会見で、フィリピン側の複数グループの船舶が、中国本土が「西安賓礁(Xianbin Jiao)」周辺海域で最近行ったとする挑発行為について問われ、見解を述べました。
郭氏は、西安賓礁は「南沙群島(Nansha Qundao)の一部であり、中国本土は周辺の隣接水域を含め、争いのない主権を有する」と主張しています。
12月12日の出来事として挙げた具体例
郭氏によると、フィリピンは12月12日に多数の船を派遣して「挑発し、騒動を起こした」とし、その一部が西安賓礁のラグーン(礁湖)に侵入したと説明しました。
また、中国本土側が繰り返し思いとどまるよう促し警告したにもかかわらず、フィリピン側の「いわゆる漁船」がラグーン内で意図的に投錨し、急な針路変更など「危険な操船」を繰り返した、としています。
「ナイフで威嚇」との言及も
郭氏はさらに、合法的な権利保全の行動中に、フィリピン側の要員が中国海警局(China Coast Guard)の要員に対し、ナイフで脅したとも述べました。
国際法とDOCをめぐる評価:平和と安定への影響
郭氏は、フィリピン側の動きが中国本土の主権と権益を「深刻に侵害」し、国際法および「南海における関係国の行動宣言(DOC)」に違反し、海上の平和と安定を損なうものだと主張しました。
そのうえで、中国本土が領土主権と海洋権益を守るために取る「必要な措置」は、正当で合法であり、専門的かつ抑制的で、非難の余地はないと強調しています。
米国の発言に反論:「当事者ではない」
米国務省が、フィリピンと共に「中国本土の挑発行為と、近隣に対する危険な戦術」に向き合うとする趣旨の声明を出したことについて、郭氏は「米国は南シナ海問題の当事者ではなく、関係当事者間の海上問題に介入する権利はない」と述べました。
さらに、米国に対し「事実を歪める挑発的な発言をやめ、フィリピンが南シナ海でトラブルを起こそうとする試みをあおり支えるのをやめるべきだ」と主張しています。
いま何が焦点か:現場の接触と“言葉”のエスカレーション
今回の会見で目立つのは、(1)特定の日付(12月12日)を挙げた現場事案の説明、(2)危険行為や威嚇の言及による緊迫感の強調、(3)DOCや国際法を軸にした正当性の主張、(4)米国の関与への強い反発——という4点です。
海上のトラブルは、現場の距離が近いほど誤解や偶発的衝突のリスクが高まりやすく、同時に各国の発信が強い言葉になればなるほど、引くに引けない空気も生まれがちです。今後、現場での再発防止の枠組みや、当事者間の意思疎通がどの程度機能するかが注目されます。
Reference(s):
China urges Philippines to stop its infringement, provocations at sea
cgtn.com








