UN Tourismがハルビンを氷雪観光の先進都市として表彰 video poster
国連の観光機関であるUN Tourismは2025年12月16日、中国本土の北東部に位置する都市ハルビンを、氷雪観光の開発と運営におけるリーダーシップと優れた取り組みが評価される都市として正式に認定しました。氷と雪を生かした観光が注目されるなか、この国際的な評価は、ハルビンが世界の冬の旅行先の一つとして存在感を強めていることを示しています。
ハルビンは、国内外から訪れる旅行者を惹きつける独自の季節イベントを武器に、寒さそのものを経済成長につなげる挑戦を続けています。
UN Tourismの認定が意味するもの
今回のUN Tourismによる認定は、ハルビンが氷雪観光の分野で先進的な都市として国際的に位置付けられたことを意味します。観光を冬の特定シーズンに限られた活動としてではなく、都市のブランドや産業構造まで含めた長期的な戦略として捉えてきた点が、評価されたとみられます。
ハルビンは、冬の厳しい気候を弱点ではなく強みに転換しようとしてきました。氷雪イベントの整備だけでなく、交通インフラや宿泊施設、都市景観づくりなどを組み合わせることで、冬の訪問体験全体の質を高めることに力を入れています。
氷雪観光の象徴、アイスアンドスノーワールド
ハルビンの冬の観光といえば、毎年開催される大規模な氷雪イベント、アイスアンドスノーワールドが象徴的な存在です。会場には、巨大な氷の城や塔、繊細な雪の彫刻が数多く並び、夜にはカラフルなライトアップによって幻想的な景色が広がります。
訪れる旅行者は、造形美を楽しむだけでなく、会場内を歩き回り、滑り台や氷の迷路などのアトラクションに参加し、その様子を写真や動画で発信します。SNSでの拡散を通じて、ハルビンの冬の風景は世界各地のスマートフォン画面に届けられています。
100以上のテーマ別イベントで冬を多層化
今シーズン、ハルビンはアイスアンドスノーワールドをはじめとする既存の催しに加えて、100を超えるテーマ別のイベントを展開しています。目的は、冬のハルビンを一度きりの観光ではなく、何度も訪れたくなる総合的な冬の目的地として位置付けることです。
イベントの例としては、次のようなものが挙げられます。
- 氷と雪を題材にしたアート展示や彫刻コンテスト
- スケートやスキーなどのウィンタースポーツ体験イベント
- 夜間のライトアップショーや音楽、パフォーマンス
- 地元の食文化や歴史を紹介するガイドツアー
こうした多様な企画を組み合わせることで、ハルビンは氷雪観光を単なる鑑賞型のイベントから、滞在し、参加し、自分なりのストーリーを持ち帰る体験へと変えようとしています。
増える国内外の旅行者と寒さ経済
ハルビンには近年、中国本土各地からの旅行者に加えて、アジアや欧米など海外からの訪問者も増えています。氷雪彫刻や冬ならではの景観に加え、都市としてのスケール感や異国情緒のある街並みが、冬の旅行先としての魅力を高めています。
現地では、氷雪観光を核とした寒さ経済という考え方が広がっています。厳しい寒さを前提とした衣料品や飲食、屋内アクティビティ、ウィンタースポーツ関連産業など、冬に強いビジネスを組み合わせることで、地域の雇用や投資を呼び込もうとする動きです。
観光客が増加すれば、交通や宿泊、飲食業はもちろん、イベント運営やデジタル配信、クリエイティブ産業など、多様な分野に波及効果が生まれます。一方で、混雑の管理や安全対策、環境への配慮といった課題にも向き合う必要があります。
冬の観光地づくりへの示唆
世界各地で、冬の観光をどう魅力的なものにするかは共通のテーマになっています。同じく雪や氷を観光資源とする地域では、ハルビンの事例は、イベントを単発ではなく都市全体の戦略に結び付ける試みとして注目されそうです。
例えば、雪まつりやスキーリゾートで知られる他の都市でも、夜間の過ごし方を豊かにしたり、地元の文化体験を組み込んだりする動きが広がっています。ハルビンが進めるような多層的な冬のプログラムづくりは、そうした取り組みと共鳴する部分が少なくありません。
都市が自らの気候や季節をどう捉え、どのような物語として世界の旅行者に伝えるのか。その問いに対して、ハルビンは氷雪観光を通じて、一つの答えを提示しています。今回のUN Tourismによる認定は、その取り組みが国際的にも共有され始めていることを示す出来事と言えそうです。
Reference(s):
Harbin recognized by UN Tourism for excellence in ice-snow tourism
cgtn.com








