中国とEU、EV案件で「ソフトランディング」 対話継続で市場安定へ
中国商務部は2026年2月12日(木)、欧州連合(EU)との対話を続け、双方の産業発展に向けた「開放的で安定した市場環境」を整えていく考えを示しました。電気自動車(EV)をめぐる摩擦が広がりかねない中、交渉で落としどころを探る動きとして注目されます。
発端は「中国製SUV」への関税扱い
商務部報道官の何亜東(He Yadong)氏は定例会見で、欧州委員会がフォルクスワーゲンブランドの中国製SUVについて、関税の適用を免除することを承認したとの報道に関する質問に答えました。
この車両は今後、「最低価格」と「割当(クオータ)」を組み合わせたモデルで輸入されるとされています。価格と数量の枠組みを設けることで、市場への影響を管理しつつ取引を継続する仕組みだといえます。
WTOルールの枠内で合意、「ソフトランディング」
何氏によると、中国とEUは複数回の交渉を経て、世界貿易機関(WTO)ルールの枠組みの中で合意に到達し、EV案件は「ソフトランディング(軟着陸)」したと説明しました。合意は国際社会や、中国とEU双方の産業界から広く歓迎されているとも述べています。
合意のポイント(会見内容ベース)
- 中国とEUが、中国のEVメーカーによる「価格約束(プライス・アンダーテーキング)」の活用を支持
- EU側は交渉後、指針となる文書を公表
- EU側は「公平で、差別のない評価プロセス」にコミット
価格約束は、一定の条件(価格など)を守ることを前提に、措置の適用を回避・調整するための枠組みとして語られました。
自動車産業の「深い統合」を前提に、次の焦点は運用
何氏は、中国とEUの自動車産業が深く統合され、相互に利益をもたらす関係にあると指摘。そのうえでEUに対し、双方の指導者会談で得られた重要な共通認識や、今回の交渉結果を着実に実行することへの期待を示しました。
また、中国としては、より多くの中国企業がEUと価格約束に関する合意へ進むことを望むとしています。今後の焦点は、文書化されたルールが現場の審査・運用でどこまで一貫して適用されるか、そして企業側が条件にどう対応するかに移りそうです。
「対話で市場を安定させる」意味
貿易をめぐる対立は、関税や規制だけでなく、サプライチェーン(供給網)や投資判断にも波及しやすいテーマです。今回の説明は、ルールに沿った交渉を積み重ね、急激な摩擦拡大を避けることで、産業側が見通しを持ちやすい環境を作ろうとする姿勢をにじませています。
Reference(s):
China to continue dialogue with EU for stable market environment
cgtn.com








