故郷は変わっても、龍鼓は続く——森を守るレンジャーたちの練習場から video poster
2026年3月現在、ある村の広場では、暮らしの変化のスピードに負けない「続ける力」が静かに積み重なっています。百年にわたり受け継がれてきた「七元村の龍鼓(りゅうこ)」を守り、次へ渡そうとする人たちの話です。
七元村の広場に集まる、七代目継承者とチーム
七元村の龍鼓を受け継ぐ七代目の継承者・劉文瑞(リウ・ウェンルイ)さんは、空いた時間を見つけて村の広場へ向かい、練習のためにチームを集めます。約束の時間に現れ、淡々と稽古の段取りを整える——その日常の反復が、伝統の呼吸を保っています。
メンバーの多くは「生態林レンジャー」——平日は山、休日は太鼓
印象的なのは、チームの多くが地域の生態林レンジャー(森林を見回り、保全する担い手)だという点です。彼らは平日、山を巡回し、雑草を取り除き、森を守る仕事に就いています。
そして仕事の合間や休日になると、今度は太鼓へ。山での役割と、広場での役割を切り替えながら、次のような積み重ねを続けています。
- 山の巡回・保全(見回り、除草、森の保護)
- 空き時間の暗譜(鼓譜=演奏の型や流れを覚える)
- 広場での反復練習(音と動きの揃え)
変わっていく故郷と、揺らがない約束
彼ら自身、「故郷は急速に変わっている」と感じています。それでも、世代をまたいできた龍鼓の伝統を守り、伝える決意は揺らいでいない——この対比が、今回の話の芯です。
村の風景や働き方は変化しても、伝統は「残す」だけでは続きません。集まる時間を確保し、譜を覚え、手を動かし、音を合わせる。その地味な工程を、誰かが今日も引き受けることで初めて、次の世代が「同じリズム」を手渡されます。
“守る”が二重に重なる場所
森を守る仕事と、龍鼓を守る営み。対象は違っても、どちらも目に見えにくいものを、日々の作業で支える点で似ています。山を歩く足取りと、広場で刻む拍。生活のなかで二つのリズムが折り重なることが、伝統の持続に現実味を与えているようにも見えます。
故郷が変わるほど、変わらないものを保つには、より具体的な努力が要る。2026年のいま、その努力が「練習」という形で続いています。
Reference(s):
cgtn.com








