中国本土で衛星—地上レーザー通信が前進:4万kmで双方向1Gbpsを実証
中国本土の研究機関が、静止軌道(高軌道)衛星と地上の間でレーザー通信を行い、4万km超の距離で双方向1Gbpsのデータ伝送を実証しました。高軌道で「速い」だけでなく「長時間・安定・双方向」を示した点が、今後の宇宙インフラの作り方を少し変える出来事として注目されています。
3日(火)付の中国科学報(China Science Daily)が報じました。
何が起きた? 1Gbpsの双方向通信を4万km超で
報道によると、中国科学院(CAS)光電技術研究所は、北京郵電大学、中国航天科技集団(中国航天科技)傘下の関連機関などと協力し、中国本土・雲南省の観測施設と静止軌道衛星の間で安定したレーザーリンクを構築しました。
- 距離:最大40,740km
- 速度:上り・下りともに双方向1Gbps
- リンク確立:最短4秒
- 連続リンク:3時間超
高軌道プラットフォームでの実験として、安定通信の継続時間を「分」単位から「時間」単位へと伸ばし、双方向・高速・リアルタイム性を確保したことが重要なポイントだとしています。
レーザー通信は何が難しい? 研究の「2つの方向性」
衛星—地上レーザー通信の研究は、大きく次の2方向で進んでいると報じられています。
- 下り(ダウンリンク)のピーク速度を高める:特定の場面でデータ量が急増するニーズに対応する
- 高軌道での長時間・安定・双方向・リアルタイム通信を強化する:宇宙ベースのシステムや高度な対話型アプリケーションの基盤になる
今回の成果は、特に後者(高軌道での「安定して双方向」)を前に進めたものとして位置づけられています。
「中継」から「賢いハブ」へ:高軌道衛星の役割が変わる可能性
今回のブレークスルーは、衛星が高速にデータを送るだけでなく、複雑な指令をリアルタイムに受け取ることにも道を開くとされています。高軌道衛星を、単なるデータ中継点から、より高度な処理を担う「インテリジェントな処理ハブ」へと段階的にアップグレードしていくための基盤になる、という見立てです。
また、将来的な天地一体ネットワーク(地上と宇宙を統合したネットワーク)に向けた重要な一歩だとも述べられています。
月・火星・深宇宙へ:地上局側の「深宇宙通信」も検証
研究者は、今回の実験が地上局の深宇宙通信能力の検証にもつながり、将来は月・火星、さらに遠方の探査機との高速レーザーリンク構築に道を開く可能性があるとしています。
信頼性が示されたことで、関連技術が将来の大規模応用に向けた「成熟した工学モデル」を提供しうる、という評価も報じられました。
ひとこと(シェア向け):高軌道で「速い」だけでなく「3時間超つながる」双方向レーザー通信――宇宙の通信インフラが“実験”から“運用”へ近づいた印象です。
Reference(s):
China achieves breakthrough in satellite-ground laser communication
cgtn.com








