中国本土経済は外部ショックを耐え安定維持 李強・中国首相が政府活動報告
中国本土の景気と政策運営をめぐり、「外部ショックを受け止めつつ、全体の経済運営を安定させた」という総括が示されました。李強・中国首相が2026年3月5日(木)、全国人民代表大会(全人代)の第14期第4回会議で政府活動報告を行い、過去1年の経済状況を説明しました。
「稀な外部ショック」と複雑な国内環境の中での1年
報告では、過去1年の成果を「容易ではなかった(hard-won)」と位置づけました。背景として挙げたのは、対外面では一国主義や保護主義の高まりといった外部要因、国内面では経済の深い転換(構造変化)が進む中での複雑な環境です。
対外面:米中の経済・貿易協議は5回、首脳会談は釜山で合意
李氏は、中央政府が「冷静かつ断固として」対応し、国益を守るために経済・貿易分野での関与(エンゲージメント)を堅持したと述べました。
- 中国・米国の経済・貿易協議:5回実施し「前向きな結果」を得た
- 両国首脳の会談:釜山で「重要な共通認識」に到達し、二国間の経済協力に「より大きな安定」を注入した
協議や首脳会談の具体的な中身には踏み込まず、「安定」に重心を置いた表現が目立ちます。対外環境の変動が大きい局面ほど、政策メッセージ自体が市場心理に影響しやすいという読み方もできそうです。
国内面:雇用・企業・市場・期待を「同時に安定」させる発想
国内では、政策を組み合わせたパッケージでの対応と、逆周期的(景気の波をならす)マクロ調整の強化を進めたと説明しました。重点として示されたのは、次の4つを同時に支えるという整理です。
- 雇用の安定
- 企業活動の安定
- 市場の安定
- 期待(マインド)の安定
「自分たちのことをしっかりやる(managing its own affairs well)」という言い回しも登場し、外部環境に左右されにくい内側の基礎を固める姿勢を強調しました。
「最悪に備え、最善を目指す」—自信と士気を押し上げたと強調
李氏は、最悪の事態を想定しながら最善を目指す姿勢により、マクロの基本面を安定させただけでなく、「質の高い発展」で新たな進展を得たとしました。さらに、社会全体の士気と自信を大きく高めたとも述べています。
いま何が焦点になるのか:政策メッセージが示す“優先順位”
今回の報告から読み取れるのは、成長率など単一の指標ではなく、雇用・企業・市場・期待をセットで捉える優先順位です。外部ショックに対しては、対話と協議を続けながら「安定」を前面に出し、国内では逆周期的な調整で波を抑える——こうした枠組みが、2026年の経済運営の基本線として意識されていることがうかがえます。
Reference(s):
cgtn.com








