第15次五カ年計画案、6分野で109の重大プロジェクト 李強中国首相が説明
中国の次期「第15次五カ年計画」をめぐり、計画案(草案)には6分野で計109の重大プロジェクトが盛り込まれたと、李強・中国首相が2026年3月5日(木)の全国人民代表大会(全人代)第14期4回会議で説明しました。政策目標を「実行」に落とし込むための設計図として、何を優先するのかが読み取れます。
109の重大プロジェクト:狙いは「戦略性」と「継続性」
李強首相は、計画の目標と任務を効果的に実施するため、草案ではプロジェクトを戦略的価値、牽引(ガイド)効果、継続性を十分に考慮して整理したと述べました。いわば、方向性の提示だけでなく、具体的な実行単位に落とし込む意図が強調された形です。
6分野の内訳:どこに重点を置くのか
草案で示された109件は、次の6分野に配分されています。
- 新たな質の生産力の発展:28件
- インフラシステムの現代化:23件
- 都市・農村の統合発展:9件
- 民生(暮らし)の保障・向上:25件
- グリーン・低炭素転換:18件
- 重要分野の安全確保:6件
「新たな質の生産力」28件:産業基盤と最先端の両にらみ
新たな質の生産力をけん引する分野では、計28件が挙げられました。李強首相は、具体的な方向性として次を示しています。
- 基礎的な産業能力と産業競争力の強化
- 新産業・新たな成長領域の開拓
- フロンティア(最先端)科学技術での突破
- 基礎的イノベーション能力の増強
産業の土台を固めつつ、先端領域での「突破」も掲げる構図です。
インフラ23件:交通・エネルギー・新型インフラ・開放の基盤
インフラの現代化では計23件。対象として、以下が示されました。
- 国家的で総合的・多次元の交通ネットワーク
- 新型エネルギーシステム
- 新型インフラ
- 対外開放のための新たなインフラとプラットフォーム
移動・エネルギー・デジタル基盤の整備に加え、「開放」を支える土台づくりも同列に置かれている点が目を引きます。
民生25件:教育・健康・ケアが柱に
暮らしに直結する分野は計25件。李強首相は、次のテーマを挙げました。
- 社会主義文化の繁栄
- 高品質な教育システムの構築
- 健康中国イニシアチブの推進
- 高齢者ケア、育児、社会ケアサービスの高度化
教育・健康・ケアの整備は、成長の「結果」ではなく、計画の「柱」として位置づけられていることがうかがえます。
グリーン18件と安全保障6件:脱炭素と食料・エネルギーの安定
グリーン・低炭素転換は計18件で、李強首相はピーク炭素(排出量のピーク)とカーボンニュートラルの達成、環境改善、生態保全と修復の推進を目的に掲げました。
また、重要分野の安全確保は計6件で、食料安全保障とエネルギー安全保障が中心とされています。成長や転換を進める一方で、供給の安定を別枠で押さえる設計です。
都市・農村の統合発展9件:新型都市化と農村の近代化
都市・農村の統合発展は計9件。李強首相は、新型都市化と農業・農村の近代化に焦点を当てると述べました。生活圏や産業のつながりをどう整えるかがテーマになります。
今回のポイント:数字が示す「優先順位」
草案の詳細そのものは今後の議論や具体化に委ねられますが、今回示された数字は、少なくとも次の問いを投げかけます。
- 成長の原動力を「産業基盤×先端技術」にどう配分するのか
- 交通・エネルギー・新型インフラが、どの順番で現実の投資や制度に落ちるのか
- 教育・健康・ケアの拡充が、社会の安心感や労働環境にどう影響するのか
- 脱炭素と安全保障(食料・エネルギー)を、同時にどう運用していくのか
「109」というまとまった数は、抽象的なスローガンを越えて、実行の設計を示そうとする強い意図の表れとも読めます。今後、各プロジェクトの中身と進捗がどのように示されていくのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Draft outline of the 15th Five-Year Plan proposes 109 major projects
cgtn.com








