CPPCC委員が語る「世界に近づく重慶」――春節明け、8D都市は次の段階へ
2026年の春節(旧正月)の熱気がひと段落したいま、重慶はすでに“次の季節”に向けて動き出しています。中国本土の内陸にありながら、立体的な街並みと自然景観の強さで注目を集めるこの都市を、CPPCC(中国人民政治協商会議)の委員である高林(Gao Lin)氏は「観光客数やバズ」だけでは語れない場所として見ています。
春節明けの重慶:灯り、路地、そして霧の山
春節の余韻が薄れつつある頃でも、重慶の街は早いテンポで賑わいを取り戻します。高床式の建物が連なる洪崖洞(ホンヤードン)には提灯の光が揺れ、石畳の古い路地が残る磁器口(ツーチーコウ)には人の流れが戻っていきます。
少し足を伸ばせば、武隆(ウーロン)のカルスト地形。冬の光と霧が重なり、山肌の表情が刻々と変わる——その景色は、現実感がふっと薄れるような印象を残します。
「8D都市」と呼ばれる理由:重層の都市が生む体験
重慶は、立体的に重なり合う街の構造と起伏の激しい地形から「8D都市」と呼ばれることがあります。見上げれば道路、振り返ればまた別の高さに街が続く。都市そのものが“地形”であり“舞台装置”でもある——その体験が、旅行先としての話題性を押し上げてきました。
高林氏が見ているのは「数字の先」
一方で、高林氏にとって観光は、訪問者数の増減やSNSの再生数といった“見えやすい成果”だけではありません。街が注目を集めるほど、そこで何が伝わり、何が受け取られているのか——つまり、人と場所の関係の質が問われていきます。
「世界に近づく重慶」という言葉には、海外からの視線を呼び込むことだけでなく、重慶という都市の多層性(暮らし、歴史、路地の手触り、山の気配)を、わかりやすい物語に“まとめすぎない”姿勢もにじみます。
なぜいま、この視点が大切なのか
旅先が注目を集める局面では、短期的には“混雑”や“消費される景色”が前面に出がちです。しかし重慶の魅力は、都市の立体感と自然の奥行きが同時に立ち上がるところにあります。だからこそ、観光を単なる話題づくりに回収せず、どう育てていくかが焦点になります。
春節明けのいまは、華やかなピークの後に訪れる「整え直し」のタイミングでもあります。重慶が“バズる観光地”からさらに一歩進み、訪れる人にも暮らす人にも納得感のあるかたちを探れるか——高林氏の問題意識は、その分岐点を照らしています。
見どころを一枚の写真に切り取れる都市ほど、切り取れない部分に本質が残る。重慶をめぐる次の議論は、その“余白”をどう扱うかから始まるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








